原発:劣化原因説明できず/九電。 東電、地震での設備損傷を否定 | 乖離のぶろぐ(*´∀`)吸い込んで応援
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原発:劣化原因説明できず/九電、報道陣集め勉強会/玄海1号機

 九州電力玄海原発1号機(佐賀県玄海町)の圧力容器が想定以上に劣化している問題で、九電は2日、同町の玄海エネルギーパークに「勉強会」という形で報道陣約30人を集め、安全性をアピールした。だが、想定以上に劣化した原因については説明できないまま。九電自体が劣化問題に神経質になっている様子をあらわにさせた勉強会といえ、不安(払拭ふっしょく)には程遠かった。

 勉強会は、1日に定期検査入りした1号機について、原子力安全・保安院の意見聴取会メンバーから「想定以上の劣化で、緊急冷却時に破損する恐れがある」と廃炉を求める意見が出たことから、九電としては安全をPRするために開いた。

 広報担当者は、圧力容器の劣化を調べる検査手法などを説明し、「総合的に健全性を判断している。運転開始から60年経過しても業界基準の強度を上回る」と主張した。

 これに対し記者からは、09年検査時に観測された劣化データが予想された数値を超えた原因に質問が集中。「予測ができていないのに安全と主張する根拠は?」と聞かれると、担当者は「原因は特定できていない」と答えられなかった。

 九電は玄海町や隣接の佐賀県唐津市で1号機の健全性をアピールするチラシ3万8000枚も配るなど不安払拭に躍起となっている。【阿部周一】

2011年12月3日


http://mainichi.jp/photo/archive/news/2011/12/02/20111203k0000m040066000c.html
福島第1原発:地震での設備損傷を否定 東電事故報告書
東京電力本店ビル(中央)

 東京電力は2日、福島第1原発事故の社内調査委員会(委員長・山崎雅男副社長)の中間報告書を公表した。地震による配管など主要設備の損傷を改めて否定し、想定外の津波で全電源が喪失し、原子炉を冷却できなかったことが事故の原因と結論づけた。山崎副社長は会見で「国と一体となって安全対策を実施してきた」と国の責任を強調した。来年6月をめどに最終報告をまとめる。
 社内事故調査は政府の「事故調査・検証委員会」とは別に、東電が今年6月に始めた。
 報告書はA4判で130ページ。津波対策について、東電は08年には明治三陸沖地震(1896年)と貞観津波(869年)のモデルを使って津波水位を最大10.2メートルと試算したが、「仮定に過ぎない」と、対策に反映させなかったと従来の主張を繰り返した。同原発を襲った地震については、「政府の地震本部の見解に基づく地震より、広範囲を震源域とする巨大地震」などと認定。「想定した前提を大きく外れる事態で、結果として事故拡大を防止できなかった」とした。
 地震の影響について、原子炉のデータなどから、配管や冷却装置など主要設備に損傷はないと評価。津波で非常用発電機が浸水するなどして使えず、散乱するがれきで1~3号機の注水作業が難航し、「多重の安全機能を同時に失ったことで発生。長時間の電源喪失と除熱機能の喪失が要因」と断定した。
 水素爆発については、1、3号機の各建屋にどう水素が流出したかは不明だが、格納容器のふたなどの結合部分から漏れ出た可能性を指摘した。
 中間報告に対し、社外有識者による検証委員会(委員長=矢川元基東京大名誉教授)は2日、関係者が「過酷事故は起こり得ないという『安全神話』から抜けだせなかったことが事故の背景」との意見を公表した。【奥山智己、中西拓司】