90くんところがったあの頃  | やるせない読書日記

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書評を中心に映画・音楽評・散歩などの身辺雑記
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この前、バンドをやっている若者と飲んだら大槻ケンヂの「青春の蹉跌のテーマ」は確か


ミッキー吉野が作った「青春の蹉跌のテーマ」に大槻が詩の朗読をかぶせたものだと教えて


くれた。伊集院光との関係も何か言っていたが詳しく憶えていない。


この本はなんとなくカルトな「週刊アスキー」に連載されたコラム。言わば90年代のオーケン版


回顧録。まあ色々オーケンが好きなアイテムが一杯である。文庫カバー表紙がみうらじゅんの下品


なイラストである。よく美大まで出てこんな下品な絵が描けるのかといつも感心する。大槻ケンヂの


イラストには蛭子センセイの方が似合うと思うのは僕だけだろうか。「イカ天は過ぎさり池田貴族はガン


になった!」というコラムで99年にガンで亡くなった池田貴族のことを書いてあるが、ちょこっとみうら


じゅんも「イカ天」つながりで出てくる。さすがの僕も池田貴族のことは詳細に書く気がしない。この本


にも書いてあるようにインチキ臭い人間で何故か最後は心霊研究家になってしまった。


池田貴族の激励コンサートか何かで「イカ天系」のバンドが集まりフィナーレらしくみんなで肩を組んで歌っ


ている中にみうらじゅんがサングラスをかけてはいるがいつもとは違い好青年風に汗をかき歌っているの


をテレビで見て「似合わねえな~」と思った。ふざけた長髪とサングラスをかけてマイブームとか


ズリネタをスクラップにしてるみうらじゅんが友人を勇気づけるために歌っているのは似合わなかった。


とまあ90年は俺も当然生きていたので、ここに書いてある高田延彦とヒクソン・グレイシーとか


サイババとかローリング・ストーンズ来日とか馬場崩御とかいろいろどーでもいーよな思いでが


かぶるわけである。


今世紀は前世紀からドラマチックな変動もなくダラ~と変わってしまったわけで、1990年代が今の


風俗や生活と劇的に変わっているかっつーとそうでもない。でも1991年にソ連崩壊と書いてあるのを


みるとそーだったかいなとか思ってしまう。尾崎豊が死んだのが92年、サイババが93年、エヴァンゲ


リオンテレビ放映95年、坂本弁護士一家殺害犯逮捕95年、酒鬼薔薇事件97年などなど。ついでに


ノスストラダムスの大予言が外れたのが99年。


ソ連が崩壊してまだ18年しかたっていないのかもう三十年も前からロシアになった気がした。


ストーンズ初来日が90年で確か2回はいつだった忘れたが見に行ったはずだ。とまあそんな事が


よみがえってきて暇つぶしにはいい本である。


文中、オーケンがUFO関連の本を百冊は読んだと書いてあった。(オーケンのUFO実在に対する


スタンスは懐疑的である)ムムっ。流石、大槻ケンヂと感心したが、あの手の本を百冊を読むのは


こりゃ辛い。僕もオーケンの影響でアダムスキーとか他の宇宙人本を買って読んでみたがあまり


の荒唐無稽と空漠とした内容に耐えられなくなってしまった。あの手の本は他人の了解を前提と


しない思考で書かれている。何冊か手にとってみたがとても読む気がせずに捨ててしまった。


大槻ケンヂは神経症を抱えているが、宇宙人本の内容のような馬鹿らしくて空漠な感性を神経症


の人はもっているのではないかと思った。


でないと勤勉なだけではUFO本はよめない。


あんまり力をいれた読書ではないので感想もダラーっとしているがまあこんなもんでしょう。