糖尿病の知識と予防2 | 健康をサポートする店長ブログ

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【糖尿病の調査結果】

 現在、日本では「糖尿病・糖尿病予備群」の合計は2,000万人以上に達し、15年前と比べ600万人以上増加しています。ちなみに平成26年度の糖尿病の医療費は1兆2,196億円であり、平成27年の糖尿病による年間死亡数は1万3,327人に及びます。(厚生労働省、国民健康・栄養調査結果、国民医療費の概況及び人口動態統計の概況より)

 

【糖尿病ってどんな病気?】

 糖尿病は、簡単に言うと血糖値が高くなる病気です。

 血糖値とは、血液中の糖分(ブドウ糖)濃度のことで、高血糖が続いている状態が糖尿病です。

 血糖値が極端に高い場合は、命の危険もあるので緊急治療が必要ですが、ほとんどの方は、症状に現れない程度の高血糖の方が多く、体の中で知らず知らずのうちに、高血糖による悪影響が広がっていき、ついには「合併症」と呼ばれる様々な病気や体の障害が現れます。

 例えば、糖尿病網膜症・糖尿病腎症・糖尿病神経障害などがそうです。

 

【糖尿病による合併症】

 糖尿病が原因の眼(網膜)の病気 ⇒ 成人の失明原因の第2位

 糖尿病が原因の腎臓の病気 ⇒ 血液透析が必要になる原因の第1位

 糖尿病患者の脳卒中の危険度 ⇒ 糖尿病でない人の3倍

 糖尿病の患者さんの心筋梗塞・狭心症の危険度 ⇒ 糖尿病でない人の3~4倍

 

【糖尿病の予防 ~食べ方と食べる量に目配り~】

 糖尿病においては、予防に最も効果的なのが食事改善です。また、糖尿病の治療中で薬を服用している方であっても食事の改善は必須です。

 糖尿病のほとんどを占める2型糖尿病の場合、血糖値のコントロールを薬だけで行うことは困難です。逆に言うと、適切な食事や運動によって、投薬の効果を高めることもできます。

 糖尿病の食事改善のポイントは、「食べ方と食べる量」にあります。

 まとめ食いはもってのほかで、一度に大量のインスリンが必要になるため、すい臓に負担をかけてしまいます。インスリンの働きによって、筋肉・細胞の受容体が糖分を取り込んで利用しています。過食・まとめ食いを控えることで、インスリンの働きにみあった量の食事をとると糖分を十分に利用でき、高血糖の防止につながります。

 食事のスピードは、意識してゆっくりめにし、よく噛んで食べると効果的です。満腹感は、血液中の糖分が増えたことを脳が感知して起こっています。

早食いをすると、血液中の糖分が増えるより先にどんどん食べ物が送り込まれてしまうので、満腹感を感じる前にどうしても食べ過ぎになってしまいます。

 食べる順番ですが、野菜や海藻類・キノコなど『食物繊維』を多く含んだものを先に食べるのがベストです。食物繊維を先にとることで、糖の吸収を遅らせ、急激な血糖値の上昇を防ぐことができます。

 アメリカの研究では、食物繊維を多くとる人は、糖尿病の発症率も30%程度低いことがわかっています。

 血糖値を上げやすい米やパンなどの炭水化物は一番最後にとるのがオススメです。最近のでは、魚や肉を米飯の前に食べることで、胃の動きを緩やかにする「インクレチン」というホルモンが多く分泌され、結果的に血糖値上昇を抑えられるという研究論文が発表されています。

 

【糖尿病の救世主?緑色の葉もの野菜】

 イギリス医学誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」にほうれん草などの緑色の葉物野菜を多く摂取すると糖尿病のリスクを減らすことができる論文が発表されました。

 研究チームは、抗酸化物質とマグネシウムが豊富であることから緑色の葉もの野菜の有効性を指摘しています。

 九州大チームの調査でも食事でマグネシウムを摂取している人は糖尿病になりにくいということが確認されており、糖尿病が気になる人で、緑色の葉もの野菜が不足していると感じている人は、積極的に摂取するのがオススメです。