肘離断性骨軟骨炎(OCD)とは野球肘の1つで、肘の外側の軟骨とその深部にある骨に起こる障害です。
OCDの症状は、肘を動かした時の痛みや可動域制限とされていますが、痛みが全くないケースもあります。
好発年齢は小学生から中学生くらいまでで、高校生以上で発生することはまずありません。
この障害は他の野球肘と違い、野球以外のスポーツ(サッカーやバスケなど)でも発生すると言われています。
他のスポーツでは重篤化することなく自然に治癒するようで問題視されていませんが、野球のようにボールを投げる負担が肘にかかると重篤化してしまい、痛みや可動域制限などの症状が現れてきます。
つまり、肘離断性骨軟骨炎(OCD)とは『小中学生には誰にでも起こる可能性があり、野球などの投球ストレスによって“重症化”する障害』ということです。
治療は、ノースロー、運動禁止などの局所安静と低出力超音波療法による軟骨や骨の癒合促進が行われます。
主治医の判断によっては、ギブス固定し、数ヶ月安静という場合もあるようです。
個人的にはプレーを中断して治療に専念というのは好きではありませんが、骨軟骨の障害ですので、安静や場合によっては固定も必要だと思います。
そして、最悪の場合、手術が行われます。肘の傷んでいる骨軟骨を取り除き、膝から骨軟骨を採取し移植するという手術が一般的です。
手術後のリハビリは、手術後2~3週間固定後から可動域訓練が始まります。
術前の可動域が問題ない場合は比較的回復が早い印象ですが、術前から著明な可動域制限があると、手術後の可動域回復も遅れ、競技復帰に難渋することもあります。
予後としては、長期的な保存療法もしくは手術療法によってほぼ競技復帰は可能です。
ここで考えなくていけないのは、肘離断性骨軟骨炎(OCD)の増悪因子が投球による肘への負担ということです。
ノースローとさせるのもこの負荷を避けるためですが、ノースローだけでは、スローイング再開すればまた以前と同じ負担が加わり、再発のリスクが非常に高いままです。
また、手術療法を選択すれば再発することはほとんどありませんが、他の野球肘を発症させてしまう可能性があります。
肘離断性骨軟骨炎(OCD)を発症する選手は、ほとんどの選手が股関節をはじめとした全身的な柔軟性が欠如しています。
この柔軟性の欠如が投球動作においてスムースな動作を阻害し、肘へのストレスを増大させていると考えられます。
よって、ノースロー期間中にいかに股関節や肩甲骨周りなど全身的に柔軟性を改善しておけるかが、競技復帰に向けた大切なポイントとなります。
仮に手術を受ける場合でも同じです。
手術前の身体の状態でスローイング再開すれば、また肘に負担がかかるのは目に見えています。
術後のシャドーピッチングを開始するくらいまでには股関節や肩甲骨周りなど、柔軟性を獲得しておく必要があります。
肘離断性骨軟骨炎(OCD)の手術は、こぼれ出た水を拭いているにすぎません。こぼれないように水を止めないと、またすぐにこぼれてしまいます。
予防に関しても同様に、全身的にしっかりとコンディショニングを行い、肘に負担のかからない投球フォームを習得することが大切です。
また、手術を回避するためには早期発見が欠かせません。超音波画像診断装置(エコー)を用いた野球肘検診を受診したりして早期発見に努めましょう。
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