前回は、

神経系の情報伝達では

ニューロンの細胞膜を

興奮(情報)が伝わるメカニズムとして

Na イオンが関わっている

ということを復習しました


『神経毒からニューロンの機能をみる(1)』





今日も復習の続きから



Na チャネルが開いて、Na イオンが

ニューロン内に流入すると、

その辺りの K(カリウム)チャネルも

プラスの電位を感じて穴を開けて

ニューロン内にたくさんあった

K イオンをニューロンの外に出します



Na イオンもプラスですが

K イオンもプラスなので

K イオンがニューロンの外に出ると

ニューロンの内側が

待機状態のマイナスにすぐ戻ります



待機状態に戻らないと

次に興奮が来たときに反応ないので

待機状態に戻るのはとても大事なのです




ニューロンの細胞膜で

興奮が伝わるのに一番長くかかるのは

細く伸びた軸索です



軸索の細胞膜を介して

Na イオンが流入したり

K イオンが流出する領域が

パルスのように伝わって行くのですね



軸索を束ねて、神経繊維とも言います





以上が、

ニューロン内や神経繊維で

情報が伝わるメカニズムです




軸索の端にはシナプスボタンという

ふくらみになっていて

そこには神経伝達物質の入った、

シナプス小胞という袋が

たくさんあります



ニューロン内がプラスの電位になる

という興奮が、軸索の端の

シナプスボタンに到達すると、

Ca チャネルがそのプラス電位を

感じて開くことで

Ca イオンがニューロン内に流入します



流入したCa イオンは

シナプス小胞に作用して

小胞の中にあったアセチルコリンなどの

神経伝達物質をニューロンの外に

放出します



放出された神経伝達物質は

次のニューロンの細胞膜にある受容体に

結合して、

その受容体の形が変わって穴が開いて

Na イオンがニューロンの中に入ります



これで、

興奮(情報)が次のニューロンに

伝達されたことになります


ご参考:拙ブログ『脳の電気信号?その正体は。。。(3)』





以上のような複雑なプロセスのもと

脳を含めた神経系が機能しています



そのプロセスのうち

一カ所でもうまく行かないと

情報が全く伝わらなくなります



神経毒の毒性というのは

そのどこかのプロセスに作用して

神経を機能させない

つまり、麻痺を起こさせるのです




整理すると、

ニューロンの機能に

関係していたイオンは

 Na(ナトリウム)イオン

 K(カリウム)イオン

 Ca(カルシウム)イオン

でしたね



神経毒はそれぞれ

そのどれかのイオンが機能するのを

邪魔します




例えば、

フグ毒で有名なテトロドトキシンは

Na チャネルに作用します




具体的なことは、また今度にして

今日はこの辺で





(つづく)





文:生塩研一





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