2週続けての3連休


皆様、いかがお過ごしですか?



先週は台風で大変でしたが、

この3連休は穏やかで

各地の小学校などでは

運動会で賑わっているようです





さて、


昨日のブログは、

近位尿細管の先の集合管では

身体の状態に応じたホルモンにより

再吸収が自動的に調節される

ということで、4つのホルモンを

ご紹介したのでした


『再吸収を調節する4つホルモン ~ 腎臓って、意外にスゴい(3)』




今日は、

腎臓の濾過量や血圧の調節が

いかに自動で巧妙に調節されているか

について書いてみます



前にも書きましたように

腎臓での血液の濾過は血圧に

依存しています



濾過量を大きく変動させないためには

血圧をコントロールすればいいですね



血圧は緊張や興奮でも簡単に

変動しています



腎臓に限らず、臓器は

急激な血圧上昇にさらされないよう、

平滑筋を収縮させて

臓器に入る血流を減少させます



これを、筋原性調節と言います





それから、

腎臓特有の調節機能としては

傍糸球体装置がその役割を担います



「傍」というのは

「そばに」という意味ですから

糸球体の近くにある装置

ということですね



傍糸球体装置を構成するのは

1)糸球体に血液を送る輸入細動脈の平滑筋細胞

2)輸入細動脈の顆粒細胞

3)糸球体から血液を出す輸出細動脈の平滑筋細胞

4)輸入細動脈と輸出細動脈の上に乗っかった遠位尿細管の緻密斑

5)輸入細動脈、輸出細動脈、遠位尿細管の間を埋める結合組織であるメサンギウム



遠位尿細管は濾過と

ある程度の再吸収が進んだ濾液が

流れますので、

緻密斑で濾過量を感知します



具体的に感知するのは

Na イオンや Cl イオンの濃度



濾過量が多いときは

糸球体に入る血流を少なくするため

入口の輸入細動脈を収縮させます



これは上で書いた

筋原性調節に似ていますね



逆に濾過量が少ないときは

出口の輸出細動脈を収縮させて

糸球体から出る血流を絞って

糸球体での血圧を上げて

濾過量を増やすのです





最後は有名な

レニンーアンギオテンシン系



遠位尿細管の緻密斑で

濾過量が少ないことが検知されると

輸入細動脈の顆粒細胞から

レニンという物質が放出されます



血液中にあるタンパク質の

アンギオテンシノゲンは

レニンによって分解され、

アンギオテンシン I が作られます



アンギオテンシン I は

特に肺血管に多く存在する、

アンギオテンシン変換酵素(ACE)で

2残基が切り離され、活性型の

アンギオテンシン II に変えられます



アンギオテンシン II は全身の血管を

収縮させて血圧を上げます



また、アンギオテンシン II は

糸球体の出口の輸出細動脈を

収縮させる作用もあり



併せて、

腎臓での濾過量を増やします




それから、

アンギオテンシン II は

副腎皮質に作用して

電解質(鉱質)コルチコイドの

アルドステロンを分泌させます


前回も書きましたように

アルドステロンは腎臓の集合管で

Na イオンの再吸収を促進して

循環血液量を増やすことで

血圧を上昇させます


『再吸収を調節する4つホルモン ~ 腎臓って、意外にスゴい(3)』




このように、

実に巧妙な仕組みによって

濾過量や血圧が

自動的に調節されているのです




(つづく)






文:生塩研一




お読みいただきまして、ありがとうございました。
コメントもお待ちしています。お気軽にどうぞ~!


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