昨日のブログは
腎臓では血圧で血液を濾過して
血球などの大きいもの以外を
とりあえず、ざっと出しておいて
後で必要なものを拾う、
そして、
近位尿細管では、身体の状態に関係なく
再吸収(回収)する、というお話でした
『まず捨てておいて、後で回収 ~ 腎臓って、意外にスゴい(2)』
近位尿細管の先の集合管では
身体の状態に応じたホルモンにより
再吸収が自動的に調節されます
ここでは、
バソプレシン
アルドステロン
心房性ナトリウム利尿ペプチド
パラソルモン
をご紹介しましょう
まず、バソプレシン
これは脳の下垂体後葉から分泌される
抗利尿ホルモンです
このホルモンは体内の水分が
不足して血液の浸透圧が高くなる
(濃くなる)と分泌され
集合管での水の再吸収を促進します
つまり、水を体内に戻すわけですね
尿は大抵、1.5リットル程度ですが
バソプレシンが分泌されなくなると
集合管で水が全く再吸収されず
尿が、倍の3リットルとか
多いと10リットル以上にもなります
バソプレシンが正常に分泌されれば
体内の状況に応じて水分が調節されます
抗・利尿の「利尿」は
尿を出やすくする、
「抗」はそれに対抗するので
抗利尿は、尿を少なく抑える
ということです
また、バソプレシンは高濃度になると
血管を取り巻く平滑筋の細胞内の
Ca イオン濃度を高めるように作用
筋肉は、骨格筋もそうですが
Ca イオンによって収縮するので
細胞内の Ca イオンが増加すると
収縮が起きます
このように、バソプレシンには
血管収縮による血圧上昇作用もあります
次に、アルドステロン
これは腎臓の上にちょこんと乗っている
副腎から、血圧が低下したときに
分泌されるホルモンです
集合管に作用して
Na イオンの再吸収が促進されます
Na イオンを捨てないようにして
体液を濃くすることで
体内の水(循環血液量)を増やして
血圧を上げます
血圧を上げるには
血管を収縮させたり
血流を増やしたりすればよく
アルドステロンは後者の役割をする
ということですね
心房性ナトリウム利尿ペプチドは
心房で合成、分泌されるホルモンで
血管を弛緩させて血圧を下げます
また、集合管では
Na イオンの再吸収を抑制し
つまり、尿中に捨てて
尿の浸透圧を高くします
すると、濃い尿からは水を
取り出しにくくなるので
尿量が増えて、体液が減ります
そして、結果的に
循環血液量が減って血圧が下がる
ことになります
最後に、パラソルモン
parathormone と書き
パラトルモンとも読まれ
副甲状腺ホルモンとも呼ばれます
血液中の Ca イオン濃度が下がると
首にある副甲状腺から分泌される
ホルモンです
集合管の手前の遠位尿細管で
Ca イオンの再吸収を促進して
血液中の Ca イオン濃度を増加させます
甲状腺から分泌されるカルシトニンと
逆の作用をもちます
明日は、腎臓の
濾過量と血圧の自動調節機能について
見てみましょう
(つづく)
文:生塩研一
お読みいただきまして、ありがとうございました。
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