昨日25日夕方、TBSテレビ「報道特集」で、自衛隊で内部告発者を不当待遇に追い込む事例が紹介されていた。
一人は、定年退職後の女性、もう一人は現役男性だった。


自分の脳に浮かべられる「単語」の限界を広げる意味を含めて、極めて大雑把に取ったメモから、文章を起こしてみます。
メモが単語ばかりなので、散り散りになってしまう事をお許し下さい。


まず、報道特集HPの記載から。

“密告者”と呼ばれて

自衛隊内部の不正を告発した事務官がその後に経験したこととは? 18年間昇進せず、内部文書には監視をうかがわせる文言が。
3月末の定年退官を待ってすべてを語る決意をした彼女がこの後目指すのは。


ここでは、2つの事例が紹介されていた。

  • 沖永良部島(鹿児島県奄美諸島)で航空自衛隊の事務官を勤め、今も沖永良部島に住む女性
  • 航空自衛隊小松基地(石川県)で、身に覚えの窃盗の濡れ衣で疑いを掛けられた後、疑いは晴れたものの、不当に監視され続ける男性

●沖永良部島の女性


沖永良部島で事務官として自衛隊に勤務した女性は、やがて内部の不正に出くわしてしまう。
腐った組織を正そうと、内部告発に至った。


しかし、告発後、組織階級での冷遇、組織的いやがらせ、意図的に悪く評価するインチキ、島内での村八分状態などなど、非常識な屈辱的扱いに見舞われる事に。
不当待遇、不遇と言うには過酷過ぎる。勝手にスケープゴートにしたようなものだ。


この女性が、日記について振り返っていた。圧力が緩いときは少なく、過酷な時は多いと。
書き記すことで怒りを吐き出さないとやっていられなかったようだ。


常時職員に監視されたり、仕事を与えなかったり…
逆に、過剰に押し付けられて残業させられる事も。残業の際には、上司が同僚にまでわざと残業させ、内部資料を漁っていないかと監視させた事も。

  • (不正をなくして自衛隊をよくしようとの)自分の思いを理解していない
  • 同僚とすれ違ったら、あからさまに避けられる
  • 「組織のため」なのにレッテル
  • 家族や、親戚に「無言電話」がかかってきた

言語に絶するパワーハラスメントに遭った。


一時期、職場のPCがLANと切り離され、仕事上必要なプリンターでの印刷すらできなくされてしまった。


夫の体調が著しく悪化し、介護しなければならなくなったために、介護休暇を申し入れたものの、放置された。(この夫は、今は他界した後)
このことを口実に、退職を迫ることまで。


不平等、不公正を絵に書いたような処遇だった。


TBSが入手した内部文書が映されていたが、これにはあからさまな差別の、悪意の悪口三昧に満ち満ちていた。


この件について、TBSは防衛省に取材を申し入れたが、木で鼻をくくるような、知らぬ存ぜぬの回答しか返ってこなかった。


※沖永良部島の女性については、こちらも見てもらった方がいいと思います
http://blog.goo.ne.jp/nakanisi-sakai/e/08f17846cef6d7b2f8dabfe4e093491a


●小松基地の男性


2年前のある日突然、一尉の男性は「内部データを窃盗した」疑いを掛けられた。
彼は何もしていないので「私はやってない」と言うしかないのだが、誰に信じてくれない。毎日が孤独だ。同僚すら信用できない。


警務隊から取り調べの冒頭で「黙秘権」とか言われたものの、執拗な取り調べ、尋問が続いた。


度重なる嫌がらせから、じんましん発症など体に変調をきたすようになってしまった。
耐えきれなくなって、適応障害を発症し、自殺を図るも未遂に。


見えるように「花」が置かれたことも。
細かくは聞かなかったが、亡くなった人がいた机に花が置かれるようなものだ。


※小松基地一尉については、こちらも見てもらった方がいいと思います
http://melma.com/backnumber_173916_4845491/


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閉鎖社会の陰険な闇を、沖永良部島・小松基地の一件に見てしまった思いにさせられた。


自衛隊は、組織の成り立ちから、どうしても外部との交流を忌避せざるを得ない面がある。
経営危機によるリストラなんて、考えにくい。


そんなことで、組織をよくするための不正行為の内部告発さえ、組織防衛のためならスケープゴートにして構わない、本末転倒な扱いが横行するのだと考えてしまった。


ついでに、日本では「内部通報制度」が名ばかりでしかないので、通報者を全く守らない仕組みにしかなっていない。
機能不全だ。「組織の利益」のために内部告発したらバカを見るので、「組織犯罪」に従う右向け右の狂った組織を容認し、温存してしまうバカな状態と化していまっている。


ただ、組織が崩壊し出すと、「組織犯罪」はありとあらゆる形で漏えいし始め、蟻の穴が広がって堤防決壊するような事態に追い込まれる。


2ちゃんねるに従業員や、出入りする派遣社員、取引先などから、薄めの内容とは言え、大量カキコが出るようになってしまったOKI、NEC、シャープのようにモラルハザード状態に陥ってしまうと、遠慮会釈なく不正告発されるサンドバック状態と化す。
もちろん、サンドバックの矛先は、転職掲示板、新卒採用掲示板、株式掲示板、FacebookはじめSNS、個人ホームページ、ニュースサイト…ありとあらゆるネットメディアに出るばかりか、ゴシップ雑誌の噂記事、奥様の井戸端会議、友人の噂話、居酒屋での雑談…収拾がつかない事態と化してしまう。


NECゴルフ馬券、京阪電鉄・南海電鉄・キッコーマン高校野球賭博の摘発…ぶっちゃけ、自身の扱いに憤慨した人が警察に告発したというのが実態でしょ。


テレビに出てきたオリンパス社員はじめ、元経済産業相キャリア官僚の古賀茂明、京大原子炉実験所助教の小出裕章、トナミ運輸の研修所に幽閉された串岡弘昭…
近視眼的に、組織をよくするため、勇気を以って内部告発に動いた人を蔑にする腐りきった組織、潰れてしまえ、としか言えない。


皮肉にも、飼い殺しの対象者は優秀な人であることが多い。個人が情報発信する敷居が高かったインターネット登場前なら、それもできたわけだが、今ではムリだ。

ミートホープや雪印食品のように、内部告発をキッカケに潰れ、跡形すらなくなったところもある。


グッドウィルや(商工ローンの)SFCGみたいに、内外からの積年の怨念・憤慨に耐えられず、お取り潰しに追い込まれたところもある。


こんな現実を見て、まだ陰湿な組織犯罪に手を貸し続け、正義の人を見殺しにするのか!


そんなゲシュタポ、アウシュヴィッツ強制収容所、北朝鮮密告社会のような忌々しさを、自衛隊の内部告発から思わされてしまったのでした。