「ももいろそらを」
★★★★★
【公開】2012年
【製作国】日本
【上映時間】113分
【監督】小林啓一
久しぶりに面白い日本映画を見ました。
これは、傑作です!
こんな面白い映画の存在を今まで知らなかったなんて!って思えるぐらい良かったです!
脚本も演出も出演者の演技も全てが良かった気がします。
ストーリーは、大金が入った財布を拾った女子高生いづみが色々あって友人の蓮実、薫の3人で明るい記事しか載っていない新聞を作る。というもの。
新聞の制作を依頼したのは財布の持ち主で金持ちでイケメンでいづみ達の一つ年上の光輝。光輝の好きな人が入院していて、その人が希望を持てるよう明るい記事を読ませたいってところから新聞作りがスタートするんですけど、それだけ聞くと
お涙頂戴ものかな?
って感じでしょ??
ところが、全然違うんです!
この映画、設定的には泣ける映画になるはずなんですけど、
泣かす気全然ない!
ここがまず素晴らしいですね。
泣かす気が満々の映画ほど観ててキツイものはありませんから。
確かにラストは感動するんですけど、それ以上に笑えるんです!
笑える要素は何と言っても主人公いづみのキャラクターでしょう。
このキャラクターは日本映画史に残る素晴らしいキャラクターだと思いますよ。
ピュアなんだけど、めっちゃ口悪い。
いつもしかめっ面して新聞の記事に採点して、世の中を嘆いてるんです。
「十九歳の地図」
みたいに、ー10点!とか言っちゃてるんですけど、「十九歳の地図」みたいに
爆破したろかい!
とは、ならなくて友達と「バーカ!バーカ!」って言い合う普通の高校生なんです。
しかも、この子は物欲がないのか?って思えるほど、お金にあまり執着がないようで拾った30万も困ってるオッさんに簡単にあげようとするんですよね。
で、貸しちゃったお金の分を新聞作って返すことになるんですよ。
そんなのほっときゃいいのに!真面目!!
友達との関係もなんかピュアな感じがしました。
蓮実は光輝がイケメンって事で、この一件に積極的に関わってくるんですけど、この蓮実って子が側から見てたらめっちゃ性格悪いんですよ。
それなのに、あんまりムカついてる感じがしないんですよね。
薫はやたら真っ直ぐな感じなんですけど、ライブチャットのバイトしててそこそこ稼いでるんです。
そして、光輝もなかなかいいキャラしてましてね。ネタバレになりそうなんであまり詳しくは書きませんが、実はいい奴なんですよね。
キャラクターもみんな個性があって素晴らしい。
最後に演出なんですけど、まず映像がとても美しいんです。
全編モノクロ映像なんですけど、モノクロだと結構コントラストが強めなものが多いのイメージなんですけど、この映画はコントラストが凄く弱くて全体的に淡いんですよね。
その、淡い感じが物語や登場人物のキャラクターに合ってるような気がして素晴らしいと思いました。
そして、とにかく被写界深度が浅いんです。
ピントが合ってるところ以外は全部ボケてて、そのボケがめっちゃキレイなんですよね。
それを、手持ちのカメラでその場でピント合わせたりしてるもんだから、ピントがズレまくってたりするんですけど、それがまた美しいんですよ。
光の感じも良くて、常にキラキラしてるんです。
もう、素晴らしいですよ。こんな、写真撮りたいなーって思いましたよ。
まだ観てない人は絶対に観た方がいいですよ!
予告編
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