映画「インポート、エクスポート」 | 渋谷宙希のブログ

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「インポート、エクスポート」
★★★★☆


【公開】2007年
【製作国】オーストリア
【上映時間】135分
【監督】ウルリヒ・ザイドル



「パラダイス三部作」で注目されるオーストリアの映画監督ウルリヒ・ザイドル2007年の作品。


前々から気になっていたんですけど、いきなり三部作を観るのはちょっとしんどいな、と思ったので、とりあえず1作で終わるこの「インポート、エクスポート」から観ることにしました。


これはですね、


おもしろかった!


です。


実は社会派な映画なんですけど、独特の空気感がなんとも笑えるゆるいコメディでもあります。


雰囲気的にはスゥエーデンの映画監督ロイ・アンデルソンの「愛おしき隣人」や「散歩する惑星」にちょっと似ている気がしました。




舞台はウクライナとオーストリア。


ウクライナで看護婦をしているシングル・マザーのオルガ。



看護婦の給料があまりにも少なくなってしまい、生活ができなくなるオルガ。


他の仕事を探してたがうまくいかず、仕事を求め、子供を祖国に残しオーストリアへ。


オーストリアで様々な仕事を転々とするがどれも続かない青年ポール。



愛想がなく、無口なポールは仕事も友達とも彼女とも上手くいかず、これまたあまり関係がうまくいっていない義父の仕事を手伝うことになる。


仕事でウクライナを巡ることになるポール。




といった内容。


物語はウクライナ人のオルガと、オーストリア人のポールの2人のリアルな現実を描いている。


オルガはウクライナからオーストリアへ。


一方、オーストリア人のポールはオーストリアからウクライナへ向かう。


この2人の物語が同時に進んでいくんですが、最後までこの2人が出会うことがありません。


きっと、どこかで出会うんだろうなぁ、って思いながら観ていたんですが最後まで出会わなかったのでビックリしました。


両国のリアルな生活を描いていて、内容的にはかなり暗いものなんですけど、なぜか「プッ」と笑ってしまうシーンが満載なのですよ。


この笑いの感覚が凄くおもしろいんです。


山下敦弘の「どんてん生活」のような独特の間がありまして、その間が凄くおもしろい。



映画観ながら笑うことってほとんどないんですけけど、これは久しぶりに笑ってしまいました。


とにかく、間がいいので上にも書いた「愛おしき隣人」や「どんてん生活」なんかが好きな人ならきっとハマるんじゃないでしょうか。


しかも、内容が社会派な感じなので、物語的にも奥が深くておもしろいです。


これはぜひ「パラダイス三部作」も観てみたいです。


気になった方は是非ご覧ください。



予告編




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