映画「ぼくを探しに」 | 渋谷宙希のブログ

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「ぼくを探しに」
★★★☆☆






2014年に公開されたフランス映画。


「ベルヴィル・ランデブー」や「イリュージョニスト」(感想はこちら)など良質なアニメ映画を監督しているシルヴァン・ショメ監督初の長編実写映画。



久しぶりに映画館へ映画を観に行きました。


幼い頃に両親を亡くした主人公ポールは、その時のショックで言葉を話せなくなる。




大人になったポールは2人の伯母が営むダンス教室でピアニストとして生活している。


ある日、同じアパートに住むマダム・プルーストと出会い、彼女の作ったハーブティーを飲むと封印していた幼い頃の記憶を呼び覚まされ、彼女の元へ通い、自分の過去を探すことになる。


という内容。


この物語はまず、マルセル・プルーストの「失われた時を求めて」という小説がベースになっています。



象徴的なのが、マダムの家で出されるお茶には必ずマドレーヌが添えられていて、そのマドレーヌと一緒にお茶を飲まないと効果が出ません。




これは、有名な”マドレーヌ効果”というやつですよね。


「失われた時を求めて」で、主人公がお茶に浸したマドレーヌを食べて自分の過去を思い出す。という有名なくだりを引用したものです。


さらに、登場人物の名前からもわかります。


お茶を提供してくれる不思議なマダムの名前はプルースト。


ポールの父親の名前はマルセルですからね。


封印された記憶を思い出すことによって、自分の両親の関係や死んだ理由などを探し求めていくのですが、この過去の記憶を蘇らすことによって主人公は成長し、止まっていた時間を再び動かすことができるというのも、よく似ています。


製作にはクローディー・オサールの名前がありますが、彼は「アメリ」や「ロストチルドレン」でも製作に関わってます。




この映画でも「アメリ」のような原色に近いカラフルな色合いが印象的な映像になっています。特に過去の回想シーンでは夢のような映像でとにかくポップでカラフルな世界を描いています。




夢の中ではミュージカルのように歌っているシーンが多く登場するのも楽しい感じでよかったです。


内容的には決して明るい話ではないんですが、演出が明るいので楽しい映画になってました。


フランス映画らしく物語の説明を一切していないので、観ている方で解釈の余地がかなりある作品です。


観終わった後に、自分はこう思ったと話あえる人がいればさらに楽しいかもしれません。


ただ、物語としては特におもしろいお話ではないし、映像的にも特に凄いとか特に美しいというシーンがなかったのが残念だった気もします。


この映画は現在公開中ですので、気になった方はぜひ劇場へ足を運んでみてください。


ぼくを探しに公式サイト




予告編



























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Plastic-Mix 20140719



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