「台風クラブ」
★★★★★
相米慎二監督作品って実は観たことなかったんですが、こんなに面白いのか!!
正直ってビックリしてしまいました。
1985年に公開された青春映画です。
かのベルナルド・ベルトリッチもこの映画を観て創作意欲を刺激されたそうです。
工藤夕貴が注目されるきっかけとなった作品でもあるようです。
確かにこの映画の中の工藤夕貴の透明感は凄いです。
ある地方都市の中学3年生の男女数人の人間関係や、心の動き、大人への憧れ、思春期ならではのアンビバレンツな感情などを、とっても新鮮に描いた作品です。
中学生という人生で最もアンバランスで、もっともバカな一瞬の感情や、心に抱えた闇などを少し極端なくらいの勢いで描いていて個人的にはとてもとても良かった。
元々、青春映画というのは無条件で好きなんですけど、この作品で描いている少年少女の心の描き方がとても個人的にはとてもツボでした。
台風こないかなぁ
という少女の呟き
なにもかもめちゃくちゃになればいいのに!という感覚を持つことって大人になってもありますが、思春期の頃ってそんなことばっかり考えてた気がします。
将来なにになりたい?と聞かれ
カモシカ
と答える少年
純粋なものへの憧れ、大人になりたくないという感情は今だにもってますけどね。
台風が近づいてくるにつれ、不安になったり、複雑な感情が露呈したり、鬱憤が爆発したり、心のバランスが危うくなったりしてしまう。
この映画に登場する少年少女はかなり極端にデフォルメされてはいるものの、多かれ少なかれ思春期を過ごした人にはある程度共通する部分があるのではないかと思いました。
一見、理解できないよな行動や、心の動きがあるのだけれど、思春期の頃の自分って今考えると同じ自分とは思えないくらい理解不能だったりしますよね。
台風が直撃し、学校に取り残された少年少女は土砂降りの校庭で「もしも明日が...」を歌うシーンがあります。このシーンはいまだとダメなんじゃないの?って思ってしまうんですが、思春期のバカさ加減や、台風でテンションあがってる様子がよく出てて好きです。
映画の中では、かなり深刻な闇を抱えた少年が登場します。
この闇もきちんと描けているのがこの映画の良さではないかと思いました。
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Plastic-Mix 20140613
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