映画「柳と風」を観る | 渋谷宙希のブログ

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「柳と風」
★★★★★


昔、VHSで観てよかったからまた観たいなぁ~って思って、DVDでまた観てみた。

「運動靴と赤い金魚」って映画のヒットもあって日本でちょっとだけイラン映画が流行った時期がある。

この映画の脚本を担当をしているアッバス・キアロスタミはイラン映画界ではかなりの有名人で、この人の監督した作品で「友だちのうちはどこ?」が人生初のイラン映画体験だった。

この映画がそれはもう凄くて、友達のノートを間違えて持って帰ってしまった少年が、そのノートを友達のうちへ届ける。といった内容。

ただそれだけ!

この「柳と風」は学校のガラスを割ってしまった少年がガラス屋さんにガラスを買いに行く。って内容。それだけ!

たったそれだけのことが映画になるのです。

ハリウッドではしょっちゅう世界を救いまくってるのに、イランではガラスを買いに行くだけで映画になる。

これこそ映画じゃないかと思うわけです。

世界を救わなくても、大恋愛しなくても、殺人事件が起きなくても、人生にはドラマが数々あって、特に子供の目線で描かれると、なんでもない日常が大冒険にもなる。

アッバス・キアロスタミの作品にはそんな視線があってとても素敵。

監督はモハマッド=アリ・タレビという人で正直よく知らないんだけど、この人の演出もかなりよかった。

ガラスを買って学校へ向かう少年の姿がとっても健気で画面に飛び込んで一緒にガラス運ぶのを手伝ってあげたくなる。

イランの中でも雨が風の強い地域が舞台になっていて、雨や風に対する子供の視点も良かった。

冒頭のシーンで雨の少ない地域からやってきた転校生が雨を見て感動して、雨ばっかり見てるから先生に怒られて、教室追い出されて「外で思う存分雨を見てきなさい」なんてこと言われる。そしたら、その少年は雨を見るどころか雨の中に飛び込んで嬉しそうにはしゃぎまわっている。

そんな純粋な子供の目線が描かれているのもこの映画の良いところだと思う。

ラストは少しせつなくて、でもなんだか心が温まるような終わり方だった。

映像的にも自然の美しさが描かれているシーンが多く、観ていて「イランってこんなところもあるんだ~、イメージと違うなぁ~、行ってみたい」とか思ってしまった。

気になた方はぜひご覧になってくださいませ。「運動靴と赤い金魚」が好きな人であれば間違いないと思います。

きっと、ガラスを運ぶ少年を応援したくなります。


予告編貼りたかったんだけど、探しても無かった~。


















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Plastic-Mix 20140328



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