200年前の少女「ノーサンガー・アビー」 | 渋谷宙希のブログ

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ここんとこ、たまたまなんだけど、少女小説を連続して読んだので、「少女」というものは時代も国も関係なく一環してかわいらしいものなんだなぁ、としみじみ感じておるしだいです。

今回、紹介するのは「高慢と偏見」などで有名なジェーン・オースティンの実質的なデビュー作である「ノサンガー・アビー」です。

この小説は、1799年に執筆されたらしいので今から200年以上も前!

200年前といえば日本ではまだ江戸時代とかそーゆー感じじゃないのかな?

この小説は当時のイギリスで書かれたもので、作者の前書きによると書きあげてから出版されるまで13年かかったらしい。んで、作者が言うには「13年前に書いた小説なので、当時と現在では変わってることも色々あると思います」みたいなこと書いてあるんだけど、もはや200年以上たった今読んでも全然面白いし、少女のとはかくも普遍的なものなのかー!って思える作品です。

今でいうと少女漫画みたいな内容なのが、この小説。元祖ラブコメって感じ。これが200年以上前に書かれてたのに驚く!

内容は、ヒロインである17歳の少女キャサリンは年頃なんだけど、田舎暮らしなので出会いがないってことで、温泉地であるバースに数週間滞在することになる。お世話になるのがアレン夫妻宅。アレン夫妻は子供がないので、キャサリンをわが子のように大切にしてくれて、色々な社交の場に連れて行ってくれるんだけど、知り合いがいないから、行ってもなかなか出合いに恵まれない。そんな時、魅力的な男性ヘンリーと出会う。キャサリンはヘンリーに好意を抱くようになるが、すれ違いが多くなかなか次出会えない。その間にイザベラという少女と友達になり、家族ぐるみの付き合いをするように。キャサリンはヘンリーに会いたいんだけど、イザベラの兄ジョンがキャサリンに恋をしてしまう。

この物語のポイントはまず、キャサリンはドジで間抜けで妄想好きなんだけど、純粋で心が優しい女の子である。ってこと。これはいかにも一昔前の少女漫画にありそうなヒロイン像ではないでしょうか?
そして、もうひ一つのポイントは、性格の悪すぎる友人の存在。キャサリンがバースで出会うほぼ唯一の友人であるイザベラの性格の悪さがもう笑けてくる!あまりにも自己中で「あ~、こんなヤツいるなぁ~」って今見ても感じる。んで、このイザベラの兄もホンマに「うわぁ~、こんな男今でも普通にいるやん!」って思える性格の男。とにかく、自分の話しかしない。しかも自慢話ばっかり!そんで、うぬぼれも強いねんなぁ。

基本的には、ヒロインであるキャサリンとヒーローであるヘンリー。それを邪魔するイザベラとジョン。という構図。
そこに、キャサリンの妄想がプラスされてかなりおもしろおかしく物語が展開するので、なにも知らずに読んだら200年も前の小説とはまさか思うまい。

ちくま文庫からの出てる訳はめっちゃ読みやすい訳になってるみたいなので、とても読みやすくておもしろかったのでオススメです!夏休みの時間あるときにいかがでしょう??