「プロカメラマンとアマチュアカメラマンの違い」を良く聞かれることがあります。
あまり知られていませんが、実はプロカメラマンに「資格」というものはありません。
正直、ここを読んでいる方でも「プロカメラマン」「フォトグラファー」と自称するだけで、実は「プロカメラマン」になれてしまいます。
写真学校を出ているとか、アシスタントをしていなければという基準値もありません。
じゃぁ、プロとアマチュアの違いとは?
真剣に語り出せば1ヶ月は語れるほど「違い」はありますが、その中でも圧倒的に違うのが「経験値」じゃないかと思います。
「精神論」とかは、またいずれの機会にでも…(笑)。
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さてさて、皆さんが「カメラ」を購入し、それが壊れる(買い換える)まで果たして「何枚撮影」するか考えたことがあるでしょうか?
大体「千枚」、カメラ好きの人も「一万枚」は行かないのでは思います。
ところが我々「プロカメラマン」は、年間で「十万枚」撮影する事はざら。
2年に1度は「オーバーホール」しないと、ミラーユニットやシャッターの羽がガタガタになってしまう。
フラッグシップと言われる60万~80万円台のボディーを使っていたとしても、正直「消耗品」。
また「ありとあらゆる現場」で撮影する。
この「膨大な量の経験値」が、アマチュアとは大きく違うのです。
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そしてプロの場合「リクエストに応じられる事」が最低条件。
誰かから「これを撮って下さい」と頼まれれば、今までの経験値からそれに必要な機材等を準備し撮影に臨む。
報酬があるからこそ「上手く撮れたらラッキー」ではダメ。
どんな状況でも「一定以上のクオリティー」を満たさなければならない。
そしてそれが出来なかった場合「明確な理由を説明できる」。<ここ重要
これがプロカメラマン。
アマチュアならお金、時間、場所など気にせず、自分の好きな物をとことん追求すればいい。
これが最もプロとアマチュアの「差」ではないかと思います。
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あと、どうでもいい話だけど…(汗)。
以前一緒に撮影に行った「駆け出しのカメラマン」に言われたのだが、私は「構え方が違う」らしい。
たまぁにしかカメラを持たない人は、構え方が妙にぎこちなかったりするが、毎日のようにカメラを持って撮影していると「一番操作しやすい自然な形」になってしまい、握り方からして違うそうな。
ガッチリホールドし、ファインダーを覗いた瞬間、まるで獲物を捕らえる「ハンター」みたいに見えると。
そのカメラマン曰く「いきなり戦闘モードに入った兵士みたいで、背筋が凍りました…。」なんだってさ(笑)。
確かに、プライベートでイベントを撮影に行った時、別に「プロカメラマン」と名乗っていないのに「すぅ~」っとみんながどいてくれた事がある。<ホントです
完全に「依頼されたカメラマンなんだ」と思われたんだろうね。
他にも「レンズ交換が見えないほど早いですね」とかとか(笑)。
まぁ、これも「経験値」からくるものだろうと思われます(笑)。
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長年プロカメラマンをしていると、光りが見え、今いる場所にどのくらいの光量がどの向きから入ってきて、この設定ならこういうイメージで撮れるというのが「脊髄反射」でわかる。
正直、露出計が脳に「ビルトイン」されているような感覚。
今はデジタル時代なので、いくら撮影しても「フィルム代」「現像代」はかかりません。
とにかくたくさん撮って、自分の「経験値」を上げてみて下さい。
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