蛍光灯撮影(フリッカー現象) | カメラマンの独り言

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室内で撮影していると「あれ?」と思う写真が撮れちゃう事があります。

その場合、明るさの元が「蛍光灯」になっていませんか?

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最近のデジカメは、手ぶれを補正するために出来るだけシャッタースピードを速くしようと頑張ります

で、蛍光灯の下で撮影すると、おかしな写真が撮れる時があります。

まずはこの3枚の画像を見て下さい。

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モデル:クロミちゃん 1/250秒 D3

まぁ、直接「蛍光灯」を撮影する人はいないと思いますが「おかしな色・明るさ」になっていることはお分かりでしょうか?

この画像は「シャッタースピード」を「1/250秒」にして連写撮影したもので、カメラが壊れたわけではありません。

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ちょっと小難しい事を書きますが、家庭用電源には東日本が「50ヘルツ」、西日本が「60ヘルツ」となっています。

蛍光灯というのは、このヘルツに大きく関係し、東日本では1秒間に100回、西日本では1秒間に120回「点滅」をしているのです。

そしてシャッタースピードを、東日本で1/100秒以上、西日本で1/120秒以上早く設定し撮影すると、このような現象が起こってしまうのです。

つまり、点滅してる蛍光灯の「光っている時」「消えている時」の間を縫って撮影しちゃっているという事なんです。

これを「フリッカー現象」と呼びます。

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このフリッカー現象を回避するためには「シャッタースピードを遅くする」しか方法がありません。

おおよそ「1/60秒以下」に設定すれば、大体問題なく撮影が出来ます。

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モデル:クロミちゃん 1/60秒 D3

このフリッカー現象はプロにも回避することが出来ません

どうしても室内で「速い動き」をする被写体とらえたい場合、1/125秒~1/500秒に設定し「連写」しつつ「当たりと外れ」を「後で選ぶ」くらいしか出来ないのです。

室内で撮影した写真の「色が安定していないな」と思う場合、このフリッカー現象を疑ってみる事をお勧めします。

フリッカーが出ない照明(電球など)で撮影していても「どこかの蛍光灯の灯りが入り込んでいる」という場合もありますのでご注意ください。

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蛍光灯が寿命に近づくと、目視でも「ちかちか」がわかるようになります。

その場合は更に「シャッタースピードを遅く」しなければなりません。

またインバータータイプの蛍光灯の場合は、秒間で10,000回以上点滅するので、フリッカー現象は出にくいです。

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プロカメラマンが最も嫌がる「蛍光灯」。

最近のデジカメは感度「ISO3200~6400(暗くても対応出来る感度)」が常用感度になっていますので、室内スポーツなどでもかなりの高速シャッターで撮影できるようになりました。

ですがその反面、蛍光灯が使用されている室内の場合は、このフリッカー現象で悩まされる事も多くなりました。

照明に蛍光灯が使われている限り、シャッター速度を落とす以外にカメラ側でフリッカー現象を回避する方法はないという事を、覚えておいて頂ければ幸いです。

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