上原美優さんの自殺のニュースが世間を賑わせているようです。
人気タレントの自殺と言うことで、ショッキングなニュースですし、私もとても心を痛めました。
きっと、のんべんたらりと過ごしている私には、想像も出来ないような大きな苦しみを抱えていたのだろうと思います。
『貧乏という壁を乗り越えて、明るく振舞っていた・・・・』などという、月並みな言葉では言い表せないような苦しみ悩みがあったのでしょう。
こんな私には、何もかける言葉が見つかりませんが、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
さて、上原さんの件を軽んずるわけではありませんが、死者数については以前から違和感を覚えていますので、本日は、私が日頃調べた事や感じたことを書いてみたいと思います。
まず初めにお断りしたいのが、決して死者数が多ければ重大な事件だという尺度ではないと重々承知しているということでして、それを承知した上でお読み下さい。
まずは、自殺者数です。
日本の自殺者数は、1998年を境に急激に増加し、13年以上連続で3万人を超すという、異常事態です。
(ちなみに、98年から増えたのは主に男性の自殺者数で全体の約70%です。対して女性の自殺者数はほとんど変わらないのを考えると、おそらく経済的な原因でしょう)
自殺は、死因のうち6番目に多く全体の2.8%を占めます。
2010年の自殺者数は、交通事故死者数(4863人)の6.5倍に当たり、圧倒的に自殺者の方が多い状態です。
僕の古い記憶を頼りにすると、交通事故死者数は年間1万人と言われていたような気がしますが、少なくなったんでしょうか。
何にしろ、自殺者がとてつもなく多いのは解ります。
ここで私が問題提起したいのは、交通事故に関しては予防運動や取り上げられる声が大きいのに対して、(例えば、本日5月15日からは、交通安全運動が始まっています)
自殺に関してはそのような事があまり聞こえてこないのではないかということです。
交通事故はニュースになるが、自殺はニュースになりません。
まあ、交通事故予防の運動が活発なのは良いこととして、もっと抑止運動をすべきは自殺に関してだとも言えると思います
自殺の原因及び動機として、「健康問題」が15802人で最も多く、次いで「経済・生活問題」(7438人)、「家庭問題」(4497人)、「勤務問題」(2590人)と続き、この順位はほとんど変わらないそうです。
確かに、交通事故のように安全運転を呼びかけてすぐに減少させられるようなものではないとは思いますが、それでも政府の対策が見えてこないのは不安になります。
昨今、日本の自殺者多くて問題らしいということまでは、広く知られるようになったような気がしますが、交通事故死者数を取り上げただけでも矛盾を感じます。
先日の私のブログでも取り上げましたが、放射線による死者数に関しても、死者数で言えばチェルノブイリでさえそれほど多くはありません。
しかしマスコミの取り上げ方と言ったら、やり過ぎを通り越して、最早不安を煽ろうとしているかのようです。
要するに、世間の話題やマスコミの取り上げ方には偏向があるのです。
マスコミが作り出す雰囲気やブームに誤魔化されて周りと同じ話題に捕らわれてしまうと、本当に大切な事を見逃してしまう構造になっていると感じます。
上原美優さんの自殺が報じられた5月12日には、民主党が『人権侵害救済法案』を次期臨時国会に提出する方針を固めました。(人権侵害救済法案は、自公政権時代は人権擁護法案と呼ばれていたものです。)
国家を崩壊させ得る悪法が、あたかも上原さんの事件に紛れさせて、国民に気付かせないように進められているのです。
これは深読みし過ぎと言われればそれまでですが、このような事が起きる可能性を含んでいると思います。
マスコミは、重要で必要な情報を漏らさずに伝えるという機能はもはや持ち合わせていないと思ってしまいます。