・初めての方はどうぞ↓
しあわせの形プロローグ
今回は初めての形が
もし・・しあわせの形に
本当になったら・・
そんな物語です☆本編とは
関係ない、もうひとつの物語です
えっと・・設定はかなりパラレル
ありえない事、おきますけど
そこはお楽しみください☆
・・・・・・・
オレ達が出会ったのは
もう偶然じゃなくて
それは必然・・そうだったんだ
なぁ・・もう何処かへ2人で
逃げようか・?
その細い腰を抱きしめて
連れ去るように
逃げ出したオレ達
もう・・何もかも捨てて
2人で生きていこうって
荷物をまとめ
誰にも話さず
オレは戸惑う雅紀を連れて
空港へと向かった
「 どこ・・行くんですか?」
ニノ・・・
あのね
「オレも行っちゃだめです?」
なんで・・けど・・お前・・
「 翔ちゃん・・オレも
ニノとも一緒にいたい・・」
え・・それって
「 え・・ちがう、翔ちゃんともニノとも
一緒に居たいんだ」
そう言うことか
「 でも・・オレ・・
ニノと雅紀が・その」
戸惑うオレの耳元に
唇をそっと寄せると
「 オレが翔さんも
雅紀も・・ぜんぶまとめて
愛しますから・・
かならず大切にしてもらえるように
努力します
だから・・オレも一緒に」
そう・・こいつも
雅紀を愛していて
その心を震わせた
ニノも雅紀のように
ともに愛せるのが
もしかすれば
一番・・良いのかも・・しれない
オレは・・
「 ニノ・・パスポート
持ってきたか?
もしかしたら
このまま、もう日本には・・
戻れない・・かもしれない
それでも良いか?」
雅紀はニノの小さな鞄をもつ
オレはその細く長い指を掴むと
この地を飛び立つ決心をする
これが最後のしあわせの形に
なるように
「 雅紀・・見失うなよ
ついておいで・・」
翔ちゃん・・・
「 うん・・ニノ、一緒に行こう
3人でこれからは、ずっと一緒に」
そのまま
オレ達は同性どうしがともに
暮らしても、何も干渉されない
土地へと住居をうつし
暮らし始める
呼び方も
互いに、3人が下の名前に変わった
和の愛情がオレ達を気持ちを溶かしてゆく
雅紀を愛すように
オレをも大切にしてくれる
その言葉やしぐさに
オレと雅紀は・・中々なれない
そんな生活を癒してくれる
このまま・・こうしている事が
もう後悔なんか出来ないけど
それでも夜になれば
雅紀を抱きしめてた腕を解けば
オレを抱きしめてくれる
「 大丈夫・・あなたのとった・・
愛情はきっと・・あのままじゃ
手に入らなかったんです
このまま・・ゆっくり時を過ごして
これで良かったんだって
そう誇れるように・・頑張りましょう
ね・・・翔・・?」
オレは雅紀の眠る
その隣で初めて和からの
キスをうけた
それは優しくて
少し・・煙草の味がのこる
苦いキス・・だった・・
雅紀とは、また違う・・
こうして
3人で朝起きると
他愛のない話をして
朝ごはんを食べる
ここの生活になれるまでは
昼間では3人で散歩したり
なんか・
和はオレを雅紀を2人きりにしてくれる
自分もきっと2人になりたい
そう想っているだろうに
「 わたしは・・良いんです・・
雅紀も・・翔も、好きになりたい
そう同じくらい
けど・・それを強要したり、したいとは想わないし
そんなこと出来るなら
とっくにしてますから
行っておいでよ・・待ってるからね?」
すごく心が透明で
心の底からオレ達を大切にしてくれる和
ある日・・2人で
街へ買出しへ行った帰り
まだ葉は青から朱色に変化したばかり
そして2人の上から
落ちてくる
歩きながら雅紀はオレに
「 そう言えば・・
ここに来てからさ・・抱き合ってないね」
そうだ・・
前は互いに会える時間が少なくて
その時間を埋めるかのように
会えば言葉を交わす余裕がないくらい
抱き合っていたのに・・
「 それって・・和の・・おかげかもな」
気持ちがすこしずつ
秋の景色のように
変わってゆく
3人の中で・・・
・・・・・・・・つづく