みんな下を向いている うつむいている ② | 南米ペルー在住、ピルセンの「ペルー雑感」

みんな下を向いている うつむいている ②

スマホはどうだろうか。

一緒に仕事をした人達は、ホテルのロビー、レイストランの食事の席についたとき、空港カウンターや待合室、待機しなければならなかった時など以前であれば雑談をしていたり、文庫本や雑誌を読んでいただろう時間に、みんな下を向いて、うつむいてスマホをしていた。仕事のうちあわせで携帯をいじっているのではないらしい。誰となんの通信をしているのかなんてヤボなことは聞かないのが礼儀らしい。礼儀知らずのわたしは「何をしているのか」と「誰かに連絡をしているのか」などと質問をした。仕事ではなく、フェースブックやトゥイッター、友人や家族にスカイプなどで会話し今、「何をしているか」を伝えたりして、まさに私用に時間を使っているのだった。簡単通信だ。



今回の人たちは、雑談が少なくなった分、スマホをいじっている時間はプライベートな部分としてお互いに配慮するのが当然なような雰囲気を感じた。もっとも、会議中にスマホで友人とやりとりするペルー人の下っ端の役人がいたので頭にきた。こうゆうのは真剣に仕事をしていないと思われても仕方ないだろう。



世界中どこにいても、スマホで日本や他の国にいる家族や知人、友人とつながっているわけだ。これじゃ行方不明になんかなれないし、数時間連絡をとらなかっただけで、心配されたり、連絡を数日しなかっただけで仲間ハズレになったりするかもしれない。



ホント、以前よりも、すごく密度の濃い人間関係ができあがっているのかというそうでもないようだ。観光旅行の団体でも参加者名簿は配られないし、住所や電話番号の交換は主催の会社ややらない。そういえば、学校でも生徒名簿には住所や電話番号さえもないときいたことがある。個人情報の保護とかだそうだ。好きな異性に手紙を書いただけでストカー扱いされるそうだ。片思いのラブレターなど書いたら大変なことになる(!)のだろうか。個人の情報が厳しく管理される一方で、個人の情報を次々を発信できるシステムがある。ブログやフェースブックなど、トゥイッターで、自分の行動を逐一報告する人もいる。どこにいるか、何を食っているか、どんな友人たちと集まって飲み会をしているか。自分の存在を主人公としてアピールする機会があるわけだ。そこでは楽しい出来事が披露されうけれど、不幸や不都合なことはあまり紹介されないようだ。