ペルーの選挙 | 南米ペルー在住、ピルセンの「ペルー雑感」

ペルーの選挙

今年10月に地方選挙、1年後に大統領選挙がある。選挙は国民の権利であり義務。ペルーでは義務制で投票にいかないと罰金が科せられる。身分証明証を国民は持っており、これに投票済みのシールを貼ってもらうことになる。選挙にいかなければ、身分証明証が有効にならない場合もあり、旅券を申請したり、銀行口座を開設する時もトラブルになることがある。ともかく、無効票を投じても、選挙にはいかなければならない。病気などで、不在者投票をすることはできる。不在者投票が不正の温床になるとして、禁止されたこともある。邪魔くさいから、関心がないから、「誰がなっても同じだから」とか、の理由で選挙を棄権できないわけだ。域内諸国には、投票しない有権者に罰金を科していない国は、「義務制ではなく」「任意制」の国もある。


10月は地方自治体や市町村の、いわゆる統一地方選挙がある。来年は大統領選挙。大統領選挙と国会議員選挙が同時に実施される。日本のように、候補者が連呼する街頭演説は、ほとんどない。閑静な住宅地や、高級住宅地、あるいは商店街などよりも、人口密集地で有権者の数が多いところに、宣伝カーや、候補者がくりだす。そして、集会を開いて気勢をあげるわけだ。人口密集地は、当然のごとく、貧困層の居住する地域だ。当然のことだが、候補者は彼らの関心のある公約をする。これが、「ポピュリズム」(大衆迎合主義)にむすびつく。そいて、「誰がなっても同じ」ではなくて、「xx がなったら変わる」という期待とともに、実際に政策が変わってしまうことがある。 その典型的な例は、大統領だ。誰が「首相」になっても、同じなんて、日本では思う人がいるけれど、こちらでは、確実に眼にみえることで変わっていくのがわかる。 1990年にフジモリが大統領になって以降、すでに3人の大統領(パニアグア、トレド、ガルシア)に代わっている。この期間にあまり変わっていないのは、「経済政策」、同じような政策を継続させることが、成長の持続と投資を呼びこぶというわけだ。


(20年前、1990年の大統領選挙、フジモリ対バルガス・リョサ。みんな若い)

http://www.youtube.com/watch?v=1Y1nvGVQEoM&feature=related