社会階層
あなたの生活レベルは?と問われて、日本人なら「中くらい」なんて答える人が多いらしい。格差社会になってきているなんて、日本でもいわれて久しいけれど、経済格差だけをとりあげるのであれば、どこの国もこれを避けて通れないのではないか。下記の統計では収入より支出の方が多い場合が示されている。貯金を取り崩しているというよりも、別途収入があると考えられる。ペルーの失業者は、「仕事」をしているといわれる。失業中だから収入がないという状態が続けられないような、逼迫した状態にあるからであり、インフォーマルな形ででも、所得を求めるからだ。収入がなくてもなんとかなる失業者は幸せ者だ。最低給与が定められているが、この給与で生き延びることはむずかしい。収入が低いからといって、物品も安いというわけではないのだから。
以前にも書いたけれど、社会階層の目安となる最新調査が出た。
社会階層のどの部分に入るか
首都圏リマには800万人以上が住むといわれている。民間の最新調査結果。収入によって社会経済水準をA,B,C,D に分けている。人数的にはA,B層が23.5%、C層35.1%、D層28.7%、E層12.7%を占める。C、D層が全体の6割以上を占めている。各層がどのような生活水準にあるかの目安を収入と物品など持ち物で測っている。
A層:一世帯 平均3.8人
月収 9500ソル(約3100ドル)
月支出 6800ソル(約2200ドル)
食費は月収の20%
水道、下水道、ガス調理器、電気調理器 有り
所有している物品の%:固定電話98%、携帯電話96%、冷蔵庫100%、洗濯機97%、ケーブルテレビ93%、DVD96%、部屋数9、寝室3
B層:一世帯 平均4.1人
月収 2400ソル(約800ドル)
月支出 2900ソル(960ドル)
食費は月収の36%
水道、下水道、ガス調理器 有り
所有している物品の%:固定電話92%、携帯電話86%、冷蔵庫98%、洗濯機71%、ケーブルテレビ66%、DVD87%、部屋数7、寝室3
C層: 一世帯平均 4.3人
月収 1300ソル(約430ドル)
月支出 1700ソル(約560ドル)
食費は月収の46%
水道、下水道、ガス調理器 有り
所有している物品の%:固定電話70%、携帯電話67%、冷蔵庫79%、洗濯機27%、ケーブルテレビ35%、DVD68%、部屋数5、寝室2
D層:
月収 850ソル(約280ドル)
月支出 1200ソル(約400ドル)
食費は月収の54%
E層:
月収 600ソル(約200ドル)
月支出 900ソル(約300ドル)
食費は月収の60%
下層になるほど家計は赤字になっている。貯金を切り崩して家計の足しにしているというより、インフォーマルな雇用や仕事が家計を支えているといえる。日本で最近話題になっているネットカフェ難民の人たちが、月収10万円でアパートも賃貸できないといわれている。彼らがやっているのと同じような雇用形態で、同じような作業仕事をしても、ペルーでは100ドルも稼げないのではないか。