悪いヤツを抹殺する | 南米ペルー在住、ピルセンの「ペルー雑感」

悪いヤツを抹殺する

殺人事件はもともと異常な事件のはずだ。それが特別な事件で自分とかかわりがないところで発生したと思えるうちは、まだよいけれど、自分の日常と関わってくるとなると別問題だ。日本で今年になって異常な殺人事件が発生しているけれど、やはり自分とは関係ないことなのだろうか。


異常な事件が異常でなくなってしまうような世の中は恐ろしい。その国で異常だと思われてもあの国では当たり前ということもあるかもしれない。

リマ市から100キロ近く離れたところにワラルという小さな町がある。農業に従事する日系の人たちも多い。そこで23人も殺害した男(33歳)が逮捕された。軍歴があり、銃の使い方は熟知している。当然だ、軍人だから。彼は銃などを使い、アルコール中毒者、ホモセクシャル、泥棒など、自らの判断で裁きを加えて殺していった。彼らは社会のゴミでありクズで何の役にもたたない、害虫だと自供した。そしてオレは精神異常ではないし、自分自身を社会から法律で抹殺してほしいと死刑を願望した(ペルーには現在死刑はない、最高刑は終身刑)。

ペルーで異常だといわれたのは、もちろん殺した人間が多いこともさることながら、物品や金品を盗まず、物取りでない殺しをしている点だ。物が豊かで、その一面に拝金主義がはびこる世界とは違うわけだ。

「死のノート」は持っていなかったけど、自分の手で身勝手な裁きを加えた。