こんばんは、龍司です。

東京は霧雨が降っていて、少し肌寒いです・・


本日は「地図」についてお話します。

「地図」といっても、本当の地図のことではなく、

生きるうえでの規範みたいな意味。

小室哲哉さんの「Running to Horizon」という曲の中で使われてる表現です。

(この曲に関しては、記事の後半で)


今朝、私は目覚めてコーヒーを飲みながら、

アリタ ケンさんのブログ を読みました。

アリタさんは以前「RT365 脱常識思考のすすめ

というブログを書かれていたのですが、

今月14日からアメブロへと移転! 記事に驚きや発見も多く、

興味深いブログです。


今朝のアリタさんの記事 は、「Planned Happenstance Theory 」。

Planned Happenstance Theory とは、

日本語に訳すと計画された偶然」理論のことで、

すべての出来事は一つの道につながっている。

回り道のように見えてもすべてつながっているから、

起こることすべてを肯定的に捉えよう」という考え方だそうです。


記事の中でアリタさんは、

以前は有力な考え方だった「キャリアアンカー」理論から

「計画された偶然」理論への変化に関して書かれています。


「キャリアアンカー」理論「計画された偶然」理論とは何でしょうか?

 

「キャリアアンカー」理論とは・・・

(以下、アリタさんの記事引用)


自分の生きる道をはやく決めて、

そこに向かって修行を積むのが望ましいという考え方です。
終身雇用の時代には威力を発揮しますが、弊害としては
・目的に関係ない仕事を軽視する傾向がある
・目的がかなわないと落伍者になった気分を与える
というものがあります。

しかしこの考えのもっとも本質的なものは
「人間は変わらないから、はやく自分に向いた道を探して、

そこへ最短距離で辿りつくべし」
という一見合理的、しかし、よくよく考えると運命論的なものです。 


「計画された偶然」理論とは・・・


「計画された偶然」理論 では、

やりたいことがいまわからなくてもいい、と言っています。

むしろやりたいことをはっきりさせすぎて、

これ以外にない!となってしまうと、

人生そのものがやりたいことへ向けての「手段」になってしまう。

・資格試験が終わるまでガマン(勉強は辛いもの)
・部長・社長になるまではすべてガマン

(出世と引き換えにやりたいことはすべてガマン)
・結局、定年になるまでガマン


プロセスは楽しむものではなく、

目的までガマンするものという考えですが、それでは人生、味気ないものです。

そこで、「計画された偶然」理論 では人生で起こることすべてが、

偶然のように見えて、意味があることだとポジティブに捉え、

その都度その都度、目的を修正し、楽しむべし、と言っています。

一見、偶然に任せた刹那的な生き方のようですが、

大きく違うのは、ラッキーな偶然を呼び起こすための努力を推奨していること。


(以上)


この「キャリアアンカー」理論 ⇒ 「計画された偶然」理論への変化は、

時代の変化と強く関連していると思います。


前時代、産業資本主義社会の時代(工業化社会)では、

モノ作りが中心の社会でした。

良いモノを作るために、工場や会社でいかに決められたルールに基づいて、

ルール通りにマジメに働くかが重要でした。


ルール・・・正しい地図



こうした時代には、会社の駒としての自分を早く作って、

定年まで頑張るということが求められたのでしょう。

人生という土地、会社経営という土地を歩くための「正しい地図」が

あった時代とも表現できるでしょう。


「人間は変わらないから、はやく自分に向いた道を探して、

そこへ最短距離で辿りつくべし」という考え方は、

「社会は変わらない」という考え方に支えられたものだといえるでしょう。

未来は予測可能であり、終身雇用制によって60歳まで

会社の駒として働いて定年を迎える・・・

 

しかし現代、ポスト産業資本主義社会といわれる時代では、

この原則は崩壊しつつあります。


モノを作る工場や人ではなく、付加価値の高いサービスを生み出せる人が

中心の時代に変化したのです。

右肩上がりの高度経済成長時代とは変わり、常に変化のある時代。

ハッキリとした未来が予測できない時代。

人生という土地、会社経営という土地を歩くための、

正しい地図」がない時代とも表現できそうですね。


こうした時代に「キャリアアンカー」理論を持って生きていくことは

危険なことかもしれません。

なぜなら、自分が正しいと思って積み上げていった事業が、

突然社会に合わない事業になってしまう可能性も高いのです。

大前研一氏も著書「ザ・プロフェッショナル 」の中で、

既存企業が変化の中で、変化に対応できずに突然死することが

増えている現象に関して書かれています。


たとえば、アップルのiTunes + iPodのサービスによって

音楽の楽しみ方に大きな変化が起こり、タワーレコードの親会社MTSが、

突然、破産法の適用を申請したり。(突然死)


こうした時代、「計画された偶然」理論を軸として生きることの方が有効でしょうね。

そして、この本の中にも書かれているように変化を愉しむこと。


 
ところで、

私はこの変化を考えていて、ある曲を思い出しました。


ドリームブログのHiroさん も好きな小室哲哉さんのアルバム、

Digitalian is eating breakfast 」の中の

Running to Horizon」という名曲です!1989年の作品。


軽快な曲なのですが、歌詞が凄く好きです。

一部を紹介しましょう。(以下、引用)


星座の消えた空


Wow wow wow 標識の無い道

Wow wow wow 優しさただ求め

Wow wow wow 弱さと向かい合う

Wow wow wow そんな君はいらない



凍えた風に身をさらせ

林の陰に目をこらせ

隠れた道を探し出せ

銀色のドアをみつけだせ


星座の消えた空


Wow wow wow 標識の無い道

Wow wow wow 正しい地図だけを

Wow wow wow 手に入れたがってる

Wow wow wow そんな君はいらない


(以上)


・・・歌詞に出てくる「そんな君」というのは、

自分自身の中にある「正しい地図」を求めようとする心のことではないでしょうか。

自分の中の自分に訣別する宣言をしてるような気がします。


これからの時代は、探し求めても「正しい地図」など

どこにもない時代になるでしょう。

以前のように、学校や会社、工場で求められたルールに従って

業務をこなしていれば一生安泰だ、などということは言えない時代。


逆に考えれば、自分で地図を作れる時代

前時代のように、資産を持っていなければ富を手にすることもできない、

などということもないのです。

自分次第で富を築くチャンスがあふれている時代。

エキサイティングな時代を迎えつつありますね。


◎追加(10月30日)


アリタ ケンさんからコメントをいただきました⇒

仰るように、web2.0に代表されるポスト産業資本主義社会では、
・目的地を決めて、そこへたどり着くスピードや効率を競う(産業資本主義)
のではなく、
・目的地も行き方もその場その場で最適解を求めて決めていく
ことになろうかと思います。

ただ気をつけておきたいのは、PH理論が行き当たりばったりで

よいというものではないので、むしろキャリアアンカーよりも、

より深く高度な生き方・人生観が要求されていくというところがミソだと思います。」

(以上)


正しい地図」のないこれからの時代、

計画された偶然理論での行動では、

正しい地図」がある程度あった時代と比べると、

いい加減で良いということではなく、逆に高い能力が要求される時代だといえそうです。


自分で予見し、構想し、実行していく能力が求められるでしょう。


そう考えてみると、

大前研一氏の近著「ザ・プロフェッショナル 」の中で書かれているように、

これからの「正しい地図」のない時代に求められるのは・・・


プロフェッショナル」!でしょうね。