あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。
新年一発目のブログは、震災による深手を負いながらも力強く立ち上がる日本を象徴する、龍が如く舞い上がるロックバンドを紹介したい。
それが、「快進のICHIGEKI」だあああああああッ!!!
(画像はバンドオフィシャルWebより。メンバー了承済。クリックで拡大)
12/31付の記事で、2011年のベストアクト(9/25、12/28公演)に選ばせてもらった。本当に素晴らしいライヴバンドだ。予備知識一切ナシで観て、かいしんのいちげきを喰らい、まさに一撃必殺で大ファンになった。
ICHIGEKIの音楽性は、ヘヴィでポップでダンサブルなロック。ハードコアな曲も多い。「江戸前四重奏 BAND OF EDO STYLE」と自称するように、日本人としてのアイデンティティが濃厚に込められたロックを激しく奏でている。
背景にあるのは、おそらくヘヴィメタル/ハードロック、ミクスチャー/ラウド、ダンス/テクノ、ヴィジュアル系、J-POP、歌謡曲など。それらすべてをコラージュしながらも、ICHIGEKIならではの極上エンターテインメントロックに昇華している。
和音階や中近東などの旋律もときおり折り込まれているが、あざとくならない程度のもので、彼らが本質的に持つ祝祭性のフックとして機能する。歌詞も全体的にはマッチョで陽性。「和」を強調する国産ロックバンドの多くが進みがちな「文系ヲタ」路線とは感触がまったく異なる。
そう、ICHIGEKIはあくまで自然体、等身大の日本人ロックバンドとして、これまでになかった独自の音楽を提示しているのだ。
そして何より、ライヴが強烈。端的に言うと、エンターテインメントとして完成している。
これはインディーズバンドでは非常に珍しい。演奏、歌唱、パフォーマンスはもちろん、進行やMCなども含め、ライヴハウスを自分色に染めきってしまう神通力がある。
「俺ら、快進のICHIGEKIだああああああッ!!」
「お前ら、三歩前に出ろおおおおおおッ!!」
長身フロントマンのコータ(Vo)が、赤をまぶしたドレッドヘアーを振り乱しながら観る者の心をわしづかみする。サラシを巻いた久雄(Gt)は、パッと見は恐く感じるかもしれないが(笑)その笑顔に人柄の良さがにじみ出る。潤(Ba)の重低音は腹部から心臓へとアッパーカットを加え、佑一(Dr)の叩き出す打撃音は魂を刺激し体を揺さぶる。それも、束になってかかってくるような一体感。
私の知る限り、ここ数年のインディーズシーンでここまで卓越したショウをみせるバンドは観たことがない。個人的には、2001年当時まだインディバンドだった陰陽座に匹敵、あるいはそれ以上の衝撃だったかもしれない。会心の一撃。
これはもう公演に足を運んでもらうしか確かめようがないが(笑)、彼らのショウから受ける楽しさ、印象を、私なりに言語化してみる。
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3年ぶりに帰省した私。実家でお母さんと一緒にのんびりしてるとき、親友のマリちゃん(仮名)からメールが来て、地元のお祭りに久々に行ってみたら。
「よお、久し振り!!」
ねじり鉢巻の粋なあんちゃんに声を掛けられた。中学時代の同級生だったあいつじゃん。クラスの人気者だったリア充だけど、目立たない私にもいつも笑顔で接してくれたんだよね。(実はちょっと好きだったwww)
「卒業以来だよな。いや~懐かしいぜ!お前の弟、ついこないだ和民で見たよ。いい男になったな~。そういやお前いま何やってるの?そっかー、看護士か。夜勤とかあるんだよね?大変だろうな…でも俺が患者だったら癒されると思うよ」
「俺?ちょっと前に会社やめて帰ってきて、親父の会社手伝ってる。ガキのころから見てる仕事だからできるんじゃないかなと思ってたけど、あれはあれですげー難しいんだよ。いまイチから自分を鍛えなおしてる感じかな。中小だから、いずれ継がなきゃいけないだろうし。でもお客さんにも社員さんにも凄く良くしてもらってて、ほんと感謝してる」
「彼女?ああ、半年前にフラレちゃった!俺が友達ばっかり優先してるように思ってたらしくて、それがずっと不満だったらしくて。そんな風に思ったことなかったからほんとショックでさ。だから、こうして神輿を担ぎに来たんだよ。地元のみんなでヨイショしてやらねえとすぐ機嫌悪くなる神様だからさ。今日はこいつが彼女かな(笑)。……おっと、そろそろ時間だ。じゃあな!こんど飲みに行こうぜ!おばさんによろしく言っといて!」
そのまま神社の本堂に向かったあいつ。カッコいいじゃん。メアド聞きたかったなあ……あ、そういやあいつ、バンドやってたっけ。フェイスブックとかツイッターとかやってないかな。帰ったら調べてみようっと。
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というような、爽やかで、侠気があって、優しくて、懐かしくもある「あいつ」みたいな印象をライヴで受けるのだ。
以上は私の脳内感覚であり、メンバー本人の「世を忍ぶ仮の姿」や、神輿をかついでいるかどうかはまったく知らないので、ゆめゆめ詮索せぬよう!(全員ナイスガイということは保証します!)
「……全然わかんねえぞ!」と怒るアナタの姿が目に浮かんできた(笑)。だんだんノッてきて無謀にも女子目線に変更するという暴挙に出てしまい、自分でも書いていて無理があると思った。ということで、ちょっとだけ補足する。
快進のICHGEKIは「ハレ」のバンドだ。
先に「祝祭性」と表現した通り、彼らの根本には、やはり日本人ならではのお祭り感がある。圧倒的な迫力と、華やかでありながら繊細な色彩感覚が共存するような、そういう世界を見せてくれる。こんなバンド、他に見当たらない。
また、彼らの音楽はどんなシチュエーションにも合う。
職業柄、車移動が多い私は車内で音楽を掛けていて、あるときそれに気付いた。朝、昼、夜、暑い日、寒い日、晴れ、くもり、雨、雪、都会、田舎、海、山……どこを走っている時も違和感なくハマる。これはICHIGEKIが表現するものに、日本人的な日常性、あるいは普遍性が宿っているからだと思われる。
個人的には、こういう音楽性はモーニング娘。しか類似例が無い。しかしハロプロ関係は助手席に女子が乗る場合(そんな機会はないが)、その子がモーヲタでない限りさすがにちょっと掛けづらい。その点、ICHIGEKIはまったく問題がない。誰でも大丈夫という間口の広さがある。デートにも最適。(笑)
そして最後に、このバンドを支えるファンについても触れておきたい。
ICHIGEKIファンのことを「快進ソルジャー」と呼ぶ。私もその一員になったあと、ソルジャー同志のやりとりをする機会が多くなった。
ツイッターやmixiがメインなので、それぞれのTLやページにお邪魔すると、ICHIGEKI以外の各人の趣味や関心ごとがまったく違っている。もちろん私のようなメタルヲタもいるが、性別も年代も趣味の方向性も関係なく、本当にいろんな人がいる。広くアピールするバンドであることのひとつの証左といえるのではないか。
それでいて、ソルジャー同志、積極的に交流を持とうという人が多い気がする。mixiのコミュニティ(佑一が管理人)に顕著なのだが、どこかアットホームな、暖かい交流が出来ている。これはおそらく、現在27歳前後のメンバーたちが高校時代にバンドを始め、その手作り感(もちろんいい意味で)が今でも脈々と受け継がれているということだろう。現代日本の言葉で言えば、「絆」。
と、長文を書いてみた。ん?いつも長いって?ほっとけw
これほど言葉を尽くしても(笑)、彼らのライヴや音源が放つ魅力には百兆分の一も迫っていない。是非、公演に足を運び、CDを買ってほしい。間違いなく、本邦最高峰のインディーズバンド。それが快進のICHIGEKI。
代表曲「音座芸夢」の動画をリンクしておくので、本文を読んでいただいたそこのアナタ、必ず視聴するべし!
そして、気に入ったら絶対にライヴに参戦しなさい!
強制だ!!!(コータ風に)
快進のICHIGEKI 「音座芸夢」 PV
快進のICHIGEKI オフィシャルウェブ