MANOWARの元ドラマー、スコット・コロンバス死去 | ♪ぴこにゃんの真向勝負♪ ~鋼鉄篇~

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今日の昼休みに、ツイッターを何となく眺めていたら、



「キング・オブ・メタル、マノウォーの元メンバー、スコット・コロンバス(ds)が4月4日に死去。ともにバンドを支えたロス・ザ・ボスがfacebook上にて明らかにしています。54歳でした」



という寝耳に水の訃報がタイムラインに載っていた…。


急いでフェイスブックに飛ぶと、ロスのページに、まさにそのことが書かれていた。



ショックだった。



その後、スコットのガールフレンドなどの声明も出され、海外のネットニュースでは「鋳造場で死んでいるところをファンの女性が発見。現在のところ、死因は不明」(翻訳サイトで直訳したものを意訳)など、情報が飛び交っている。それよりも、ロスの「Scott Columbus R.I.P. my brother . I'm gonna miss you !」という発言で、もうこれは間違いないだろう…。


あああ…。なんてこった…。




♪ぴこにゃんの真向勝負♪ ~ヘヴィでメタルな音語り~

('02年頃のメンバー近影。右端がスコット)





「KINGS OF METAL」との異名を持つMANOWAR。戦士のヒロイズムを体現した高揚感溢れる音楽を、地獄より酷いとされる爆音で奏で、世界中のTrue Metal Peopleの魂を燃やし続けている真のヘヴィメタルバンドだ。



私はMANOWARが大好きだ。'82年のデビュー以来、「DEATH TO FLASE METAL(偽者のメタルに死を!)」という姿勢を貫いていることも眩しすぎるが、まず何より、楽曲が素晴らしい。


シンプルなようでいて実は極めて緻密に作りこまれた楽曲群(軍でもいい)を、鬨の声を上げながら堂々と前進させるのが、MANOWARという楽団だ。その激音を聴くたびに、軟弱な私の胸の奥で眠っている闘志は喝を入れられ、「俺も人生戦わなきゃならんよな!」と熱くなる。


その雄々しきMANOWARサウンドをドラムという土台で支えていたのが、スコットである。


彼は、これまで発表されている10枚のオリジナルアルバム('10年発表のセルフカヴァー作は除く)のうち、1stと7th以外の8枚のアルバムでドラムを叩いている。


7th製作前に「病身の息子の近くにいてやりたい」という想いから脱退するも、その後息子は全快し、スコットは8thからバンドに復帰、'07年の最新作でも打撃音を轟かせていた。


報道によると、'08年にMANOWARを再度脱退していたようだ。デビュー時のドラマー、ドニー・ヘムズィクが復帰して1stの再録~ツアーをしていると知人に聞いてはいたが、スコットが正式に脱退していたとは知らなかった。それはともかく、ほとんどのアルバムで叩いているスコットこそがMANOWARのドラマーであると、ほぼすべてのファンが共通して認識していたといっていいだろう。




スコットが日本でプレイすることは、永遠になくなってしまった。MANOWARは'93年に一度だけ来日しているが、ちょうどスコットが息子のために脱退している時期で、そのときのドラマーはライノだった。スコット込みのMANOWARを観られた日本のメタルヘッドは、極めて数が少ないだろう。知り合いの女性ヴォーカリストが海外のフェスで観たという話(ちなみにその知人はフェス会場の「ミスMANOWARコンテスト」で優勝している)以外に、スコットのいるMANOWARのライヴについての話を聞いたことがない。


高校時代にMANOWARのファンになってから、既に10数年経っている。その間、私はスコットのいる編成での再来日を延々と待ち続けていた。それはもはや、絶対に叶うことのない夢として終わってしまった。



言葉を無くしてしまう。


愛するミュージシャンの死は、回数を重ねても決して慣れることがない。


昨年からヘヴィメタル界は訃報が相次いでいる。もう勘弁してくれよと言いたくなる。








私はいま、弔いのために5th『FIGHTING THE WORLD』('87)を聴いている。


「Fighting, fighting, fighting the world!!」


学生時代の学園祭コピーバンドを思い出す。リズムが独特で、非常に歌いづらかった。歌と楽器隊でカッチリと拍を合わせるのに散々苦労した記憶がある。



もう、スコットのいるMANOWARの音楽を生で聴くことはできない。それでも、我々の手元には「音源」という記録があり、それを再生することで、彼の生きた証を体感することは、これからもずっとできる。



そして、私のプロフィールにはこう書いてある。


「音と活字と酒さえあれば、右肩上がりのテンションハイ!! 本とメタルとアルコール、ジューダスメイデンマノウォーキル!!」



今夜は、MANOWARを聴いて晩酌するしかない。



ありがとう、スコット。ご冥福をお祈り致します。





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('96年頃。右端がスコット)








【追記】


翌日になってから、ようやく日本語のニュースが配信された。以下、BARKS4月6日付の記事を引用。



『マノウォーの元ドラマー、スコット・コロンバスが月曜日(4月4日)亡くなったことが明らかになった。54歳だった。』

『4月5日、マノウォーのメンバーからオフィシャル・サイト(Manowar.com)に以下のような声明が発表された。「大変悲しいことに、我々のブラザー、スコット・コロンバスが亡くなったことをお知らせします。スコット・コロンバスは素晴らしい才能を持つと同時に、類まれな人物でした。父親、友人、メタル界のブラザーでした。スタジオ、家、ツアーで一緒に過ごした時間と思い出は我々の心の中で永遠に輝き続けます」』

『現在のところ、死因などこれ以上の情報は明らかにされていない。』













【関連記事】


『正統派メタルの完全体十傑』 2010年3月17日

http://ameblo.jp/pikonyan-pikonyan/entry-10484240261.html


『一子相伝外伝 「益荒男復活祭」』 2009年7月26日

(ウィキペディアにも載っている東京のMANOWARトリビュートバンド「益荒男」のライヴレポート)

http://ameblo.jp/pikonyan-pikonyan/entry-10574266835.html