Clover(11) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「え、保護者会?」


香織は洗い物をしながら暖人の話を聞いていた。


「うん・・・らいしゅうの火曜日みたい。 でも、しごとだもんね。 こなくてもいいよ。」


すぐに手を拭いてプリントを見た。


保護者会の前に子供と一緒に参加するレクレーションもあるようだった。



「・・・えー、レクもあるじゃん。 仕事途中で抜けてくるよ、」


香織は言った。


「え、これるの?」


「志藤のおじさんに頼んでおくから。 ほんと、ハルの学校にも行ってみたかったんだよねー。」


戸籍上も暖人の母になった今


こうして学校の行事に行かれることも


なんだか嬉しかった。




忙しかったが


何とか時間をやりくりして香織は暖人の学校にやって来た。


5時間目のレクレーションで子供たちと一緒に体育館で長縄跳びをしたり


ドッヂボールをしたり


他の保護者たちとも楽しい時を過ごした。



その後の保護者会で


最初に自己紹介を求められ



「・・樺沢暖人の母です。 どうぞよろしくお願いします、」



と挨拶をし、



本当に暖人の母親になったんだ、と実感した。




それでも


学校、学童クラブ、サッカークラブそれぞれに保護者が関わることが多い。


香織は時間をやりくりするが


土日もない仕事のため


なかなか難しかった。



「いいよ。 こんどのがくどうのほごしゃ会は出れませんって先生にいっておくから、」


暖人は全然気にしていないようだった。



「香織も忙しいんだからさ。 今までだっておれも頑張ったけどどうしてもムリなことあったし。 学校や学童クラブで気になることがあったら先生に連絡を取って個人的に聞いたりもしたから。 ムリしなくていいよ、」


樺沢もそう言って気遣ってくれる。



それでも。



なんだか


これじゃ今までとおんなじ・・・・



香織はなんとも言い様がない虚しさを感じた。



この頃は


暖人は学童クラブから一度樺沢の実家に帰って、両親が遅くなる時は夕飯を済ませた後一人で歩いて2~3分の自宅に戻る。


香織が帰ると一人で宿題を済ませ、テレビを見たりゲームをしたりして過ごしている。


「ごめんねー。 遅くなっちゃって。」


「ううん。 テレビみてたから、」


笑顔で言われると胸が痛い。




「それは仕方ないんちゃう? 暖人は暖人なりにちゃんと理解してくれてるんとちがうの?」


南はため息ばかりの香織にそう言った。


「やっぱりさ、まだ小学校1年生の子を一人で家で待たせるなんて。 良くないかなあって。 カバちゃんの実家にあたしが帰るまで預かってもらおうかとも思ったけど・・・時間の読めない仕事だから迷惑もかけられないしね。 カバちゃんは男の子なんだから大丈夫とか言うんだけど、」


「確かに今は大変やけど。 でも・・・子供なりに成長してるし、」


香織はティースプーンをかき回す手を止めた。



結婚して家族になったものの、香織は自分の仕事が忙しく暖人のことをもっと構ってあげたい気持ちが募り・・・




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