Clover(4) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「ハルが来てくれるなんて。 ほんと嬉しかったよ、」



沈んでしまった暖人だったが、その言葉でようやく香織を見た。



「・・・ほんとに? うれしかった?」


「うん。 嬉しかった。 だってハルはまだまだ一人で電車なんか乗れないと思ってたもん。 すごいなあって。」


そう言うと照れたようにはにかんで笑った。



「ただ。 お父さんもおばあちゃんたちも。 すっごく心配してたから。 だってハルがいきなりいなくなっちゃったらびっくりするよ。」



父たちのことを言われて


また暖人はしゅんとなってしまった。



「みんなハルのこと・・・すっごく心配してるんだから。 ハルは理由もなしにいなくなったりする子じゃないから、何か事件に巻き込まれたんじゃないかとか。 途中で交通事故にでもあったんじゃないか、とか・・・。 ほんと心配した。」



「・・・・かおりちゃんも・・?」



自分がしてしまったことの重大さが少しずつわかってきた暖人は


おそるおそる香織の表情を伺った。



香織はそんな暖人に


「・・当たり前じゃない。 もう・・ハルに何かあったら・・どうしようかと思った、」


優しくそう言ったが



もう


自分の子供のように


暖人を心配する自分がいて



それに気づいてしまい


胸が熱くなった。




「・・お父さんとかおりちゃんは・・・・けっこんするの、」



暖人はようやく『迷い』を口にし始めた。



「・・お父さんが、そう言ったの?」



「うん。 きのう、おふろに入ってるとき。 かおりちゃんとけっこんしようとおもうって・・・。 かおりちゃんがぼくのおかあさんになるって・・・」



「そっかあ。 それで・・ハルはどうしていいかわかんなくなっちゃったんだ、」


暖人の戸惑いを受け止めた。



が。



暖人はぶんぶんと首を振った。



「え?」



「・・・かおりちゃんは、いいの?」



か細い声でそう言った。



暖人の言っている意味がわからずに香織は彼をジッと見つめた。



「ほんとに、ほんとに・・お父さんとけっこんしたら、ずっといっしょなの?」



ようやく


実の母親と離れ離れになったことを思い出しているのだ、ということがわかった。



「おかあさん、ひょっとしたら、すぐにむかえにくると思った。 でも、・・・」



「ハル、」



「もう・・・おわかれするのはヤだ。 ほんとにかおりちゃんはずっとずっといっしょにいてくれるの?」


わがままなんか


ちっとも言わない暖人が



初めて言うわがままだった。




暖人は実の母のことを思い出し、『母親』になるという香織がいつか離れてしまうのではないかと不安になって・・・・


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