Better tomorrow(20) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「ハルは・・なんて?」


香織はその返事が気になった。


樺沢は首を横に振って



「なにも。 言わなかった。 それきりその話はしなかった・・・・。 戸惑ってたのかもしれないけど、おれは・・本当に心からそうした方がいいって思ったから、」



小さな声でそう言った。



「・・・だから・・・まだ早いって言ったのに。 大きくなったからって言ってもまだ理解できないよ。 ハルの気持ちの中にはまだお母さんへの思いがある。 恋しく思っているか、憎く思っているか。 それはわからないけど、どっちにしろ・・・お母さんのことをまだ引きずってるよ・・・。 あたしたちの勝手でハルを戸惑わせたくなかったのに、」



香織は両手でつり革に寄りかかるようにつかまって額を押し充てた。




「・・・おれとハルと、香織と・・・・。 3人で家族になりたかったんだ。 一緒の家で暮らして、一緒にゴハンを食べて、一緒に楽しくいられることが・・一番いいことだって、」



樺沢は自責の念に押しつぶされそうになり


どんどん声が小さくなった。




暖人が受けたショックを


香織はかみ締めた。



暖人に慕われていても、それは父親の『同僚』として


この距離感があるからこそだと思っていた。



母親は


違う。



自分が父親の再婚相手になる予定だった人と引き合わされた時のことを


瞬時に思い出した。



ちがう


ちがう



もうその気持ちで爆発しそうで。


父親の気持ちなんかひとつも考えられなかった。




ハル・・・・



香織は落ち着こうと思っていても


暖人の気持ちを思うと


胸が張り裂けるというありきたりな言葉では言い表せないものを感じていた。




駅から家まで


もう走っていた。



店は通常通り営業していたが、この日は客も少なくまばらで


樺沢の母は心配で厨房のイスに座り込んだままだった。



「駿、」


裏口から入ってきた樺沢の姿を見てホッとしたのかゆらっと立ち上がった。



「まだ、連絡は・・ないの?」


「うん・・・・。 もう8時だよ・・・。 どうしちゃったんだろう、」


母は泣きそうだった。


「警察に、電話をしたほうがいいんじゃないか、」


父も言った。


「今、仁がその辺を探しにいっているんだけど、」


その時、彼の背後にいる香織に気づいた。


そのタイミングで香織はスッと前に出て



「・・・はじめまして。 佐屋香織です、」


こんな状況で彼の両親に会うことになるとは思わず


動揺と


心細さで


声が小さくなった。



思いがけず香織は樺沢の両親と初めて対面することとなりました…



人気ブログランキングへ  

↑↑↑↑↑↑


読んで頂いてありがとうございました。

ポチっ!わんわん お願いします!


人気ブログランキングへ 左矢印 携帯の方はコチラからお願いしますドキドキ


My sweet home ~恋のカタチ。