Better tomorrow(11) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

夕方には


香織の従弟夫婦も戻って


にぎやかな食卓になった。



1日中佐屋家の敷地内で遊び回っていた暖人と従弟の子供たち詠太とまひるはすっかり仲良くなった。



「明日さあ、川の方いってみようよ。 あみですくうとエビがいるよ、」


「え~~、ほんと? おとうさん、行ってもいい?」


「いいけど。 子供たちだけじゃあぶないからお父さんもいくよ、」


樺沢は暖人に言った。


「あたしも行くわ。 なんだか川遊びも懐かしいな~~~。」


香織も嬉しそうに笑った。




香織の家族は本当に温かかった。


いきなり子連れでやってきた自分たちにも


笑顔で接してくれて


もういいってくらいのおもてなしもしてくれて。



彼女が父子家庭だということは聞いていたが


自分の想像とかなり違っていた。



樺沢は、はしゃぐ暖人を見てぼんやりと思った。




樺沢と暖人は家族みんなが寝起きをする『本宅』ではなく、もともと香織と父親が住んでいた『離れ』に泊まる支度をしてもらった。



こちらも今はほとんど使っていないとはいえ



きちんと掃除が行き届いていて


すぐに寝起きができるようになっていた。



「ほんと。 娘が帰らないからねー。 おばさんとイトコの嫁さんがよくやってくれて。 バチ当たりもんだよね、」


二人の布団を整えながら香織は笑った。



「ここに香織は住んでいたの?」



「うん。 高3まで。 大学は東京に行っちゃったから。 ここの二階にあたしの部屋があるの。」



「ほんと。 広いよな。 使ってないのがもったいない、」


樺沢は12畳ほどはありそうな部屋を見回した。



「いつも狭いトコだから逆に寝付けそうもないなァ、」


布団を二組引いても、そのほかのスペースの方がものすごく広い。



「すごいね、 なんだかりょかんみたい。」


暖人は無邪気にとびまわっていた。



「ほら、ハル。 あんまり飛び跳ねると。 写真とか落っこちてきたら大変だ、」


樺沢は彼の腕を引っ張った。



「アハハ、平気だよ。 そのくらい。」


香織は笑った。



箪笥の上に親子3人の写真がそっと飾られていた。



香織の母がまだ生きていた頃に撮った写真だった。



それをそっと手にしてみると



「ああ、それ。 あたしの七五三の写真らしいよ。 ぜんぜん覚えてないけど、」



中央に着物を着た女の子といとおしむように両親が両手をつないでいる。



「お母さんに、似てるんだな。 香織は、」



「最近、おばさんに言われる。 もうあたし・・お母さんの年を過ぎちゃったのにね。 不思議な感じ、」



その年で


もう親の年を追い越すせつなさ。




「お母さんのことはあんまり覚えてないの。 布団にいつも横になってた姿だけ。 こうして一緒にでかけて写真、なんて珍しくて。 外で撮った三人の写真もこれ1枚かも。」



きっと


無理をおして娘の七五三を祝いたかったんだろう。


笑顔の香織の母の


気持ちがふうっと伝わった。



香織の父も叔父家族も本当に優しく樺沢たちを迎えてくれました。 そして彼女が生まれ育った家には思い出がつまっているようで…




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