Sympathy(19) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「・・・かおりちゃん、ないてるの?」



香織の両目からぽたぽたと涙がこぼれた。



言葉が出なかった。



「・・・ごめんね。 ごめんね。 かおりちゃんをびっくりさせようとおもっただけなんだよ。 おとうさんにだまって・・・プレゼントわたしちゃった、」


暖人は自分が悪いことをしてしまったかのように


香織の手をとって謝った。



「バカね。 嬉しいから泣いてるにきまってるじゃない、」



香織はハルを思わず抱きしめた。



「・・・人はね。 嬉しくても泣くんだよ。 嬉しくて、嬉しくて・・・・・。 なんだか心がいっぱいになっちゃった、」



どんなプレゼントよりも嬉しい。


二人がどんなにか自分を思って用意してくれたかがわかったから。




「なんなんだよ。 いきなりウチにハルといるってメールだけきて・・・・」


樺沢が戻ったはもう11時前で、暖人は寝てしまった。



「・・ちょっと、ね。」


香織はイタズラっぽく笑って、彼が靴を脱いで上がるか上がらないかの時に


いきなり抱きついた。



「・・・え? ・・・どしたの?」



クールな彼女が自分からそんなことをするのが驚きだった。



「・・・わかんないの? 自分で選んでおいて。」



背の高い彼の首にぶら下がるように抱きついた。



「・・・・あ、」



彼女の首筋からあの『香り』が漂い、鼻をくすぐる。



「・・え?????」



彼の焦りが思い通りだったので、香織はクスクスと笑ってしまった。



「・・ありがとう。 ほんっと・・・嬉しかった。 こんなに嬉しい誕生日、初めて。」





「よっぽど。 渡したかったんだな。 プレゼントを、」


樺沢は暖人が香織に渡したおりがみのプレゼントを手にして微笑んだ。



「いっしょうけんめい作ってくれたんだなあって思ったら。 涙出ちゃった。」


香織は彼に温かいお茶を淹れて来た。



「おれのまでついでに渡しやがって、」


と笑うと


「それもね。 どーしても渡したかったみたいよ。 カバちゃんのオヤジギャク、炸裂してたね。」


香織も笑った。


「オヤジギャクじゃねーよ。 デパートにプレゼント探しに行ったら・・・・香水売り場通りかかって。 『香織』に『香り』をプレゼントするのもいいかなあ・・とか、」



「それがもうオヤジギャグだって、」


香織はさらにおかしそうに笑った。



「でも。 ほんっと嬉しかった。 だって、カバちゃんがあたしにプレゼントくれるなんて初めてだもん、」



「え、そうだっけ?」


樺沢はそう言ってとぼけたが


去年のクリスマスも仕事で忙しく、結局香織にプレゼントは何もなかったことを


ちょっとだけ気にしていた。



「二人がね。 あたしのことを思って。 こんなプレゼントくれたんだって。 その気持ちが本当に嬉しかった。」


香織の幸せそうな笑顔が


ほんの少しだけ


樺沢には痛かった。




暖人のかわいい思いやりが香織は嬉しくてたまりません…



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