Began at the time(19) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

いきなりのにわか雨に樺沢は慌ててベランダに出て洗濯物を取り込んだ。


「あ~~~もう、せっかく乾いたのに・・・・」


部屋の中のフックに引っ掛けた。



香織はラグにちょこんと座って、ミニカーのセットで遊ぶその男の子の前に呆然として座り込んだ。



「ごめん、ちょっと待ってて・・すぐにコーヒー淹れるから、」



てんやわんやの彼に



「・・・おかまいなく・・・・・」



香織は気が抜けたようにそう言った。



そしてようやく落ち着いた樺沢は



「ごめん・・・・これ、息子。」



と香織にようやく彼を紹介した。



「息子、」



確かに彼がバツイチで、福岡の元の奥さんの所に子供がいることも聞いている。



「暖人。 今、5歳。」



樺沢は彼の横に座って、



「・・ハル、ごあいさつしなさい。」



と促した。



暖人は少し上目遣いに香織を見て、



「・・こんにちわ・・・・。」



小さい声でボソっと言った。



一瞬言葉が出ずに固まった香織だったが、ハッとして


「こ、こんばんわ・・・。 ええっと・・・・。 パパの会社で一緒にお仕事をしててる佐屋香織です・・・えっと、」


思わず自己紹介をしてしまった。


そして



「なんだ・・・。 子供が遊びに来てるなら言ってくれたらよかったのに・・・。」



彼がここのところずっとよそよそしかった理由を繋げることができて、少しホッとしながら言った。



「夏休みだし、遊びに来たんでしょう?」



香織は優しく暖人に言った。



しかし



暖人はうつむいたままだった。



そして、隣の寝室に入って行ってしまった。



「・・遊びに来たんじゃないんだ、」



樺沢は暖人に気遣うように小さな声で言った。



「え?」



「・・・おれが。 暖人を育てることになって。 これからあいつとここに住むことになったんだ、」



その言葉は



女がいるんじゃないか



と疑ったことよりも



もっともっと香織を驚かせた。




これが香織と暖人の出会いでもありました。 そして、樺沢から思いもかけないことを言われて…




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