Overflow(1) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

主催者として詩織は忙しそうだった。


拓馬はそんな彼女を遠くから壁にもたれて見ていた。





自分の知らない彼女の顔がそこにある。



たった数ヶ月なのに


何年も経ったかのように。



「よ、」


肩を叩かれてハッとした。



志藤が微笑んでいた。



拓馬は彼の顔を見て


はあっとため息をついた。



「なんだよ、」



「・・・おめー・・・ほんっとなんか企んでるヤツだよな。 おれはまんまとハメられたんか?」



何だか笑いがこみ上げてしまった。



「は? おれは別に何も企んでへんで。 ・・・ま。 おまえがほんまにここに来るか・・・確かめたかったんで来てみた。」



いつもの無敵の笑顔で言われると


『ハメられた』感もどっかにいってしまいそうだった。



「あれ。 ・・・オヤジが持ってたんじゃねえのか、」



グラスのウーロン茶に口をつけた。



「え、」


志藤は少しだけ真顔になった。



「・・・消毒液の匂いがした。 オヤジの病室のにおいとおんなじだったし、」




正直


匂いまで気にしていなかった。


それに気づいた彼にちょっと驚きだった。



「・・・どういうことなのか。 説明してもらおうか、」



拓馬は志藤を見た。



「・・・まあ。 確かに。 あれは・・・お義父さんから、おれが渡された。」


黙っていてくれと言われたけれど


そんなことはいつかはばれると思っていたので、この辺は想定内だった。



志藤もさっき入口で手渡されたグラスのウーロン茶に少し口をつけた。



「・・・もともと。 この仕事のことで彼女と会った時。 おれが詩織さんからお義父さんに渡して欲しいって頼まれたものなんだ、」



意外すぎる言葉に拓馬は目を見張った。



「なんで・・・彼女がこのチケットをお義父さんに渡して欲しいって言ったのか。 それはわからへん。 ・・たぶん。 その理由は・・・彼女とお義父さんしか知らない。」



志藤も真剣な眼差しで彼を見た。



「どういう・・ことだよ、」



「お義父さんがおれにこれを拓馬に渡して欲しいって言われたとき。 他に何も言われへんかったけど・・・お義父さんがおれに何を期待しているかわかったから。」



自分のグラスを黙って拓馬に持たせて


ポケットからタバコを取り出して火をつけた。




オヤジと


彼女の間に何かがあった・・・?




拓馬はそれだけで驚きだった。



「あとは。 二人で話し合うことやな。 」



志藤はふっと笑った。




自分の知らない間に父と詩織の間に何があったのか? 拓馬はまだわけがわかりませんが…



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