Love for the future(9) | My sweet home ~恋のカタチ。

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そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

居間の外で様子を伺っていたななみが、飛び出した。



「じじっ!!! たーくんをぶっちゃダメっ!!!」



ななみは拓馬に縋りついた。



「・・・ななみ・・」



突然のことにみんな驚いた。



「やだっ! たーくんを・・・ぶっちゃダメっ!」



ななみはもう泣きじゃくっていた。



話の内容がわからなくても


子供なりにただならぬ状況になっていると感じ取っているようだった。




父は


そんなななみの姿を見て、振り上げた拳をそっと下ろした。



ななみの泣き声だけがその場に響いて


大人たちは何も言うことができなかった。




拓馬はふと我に返り


「・・・ななみ・・。 ありがとな、」


縋りつくななみを抱きしめた。



「な・・ななみ・・・たーくんのことがすきだから・・。 だいすきだから・・・。 じじのこともすきだから・・・けんかしないで、」



しゃくりあげながらそんなことを言われて



父はそっと部屋を出てしまった。



すると母がそっとななみに近づいて


「大丈夫だよ。 ・・じじが怒ったのはね。 拓馬のことが心配でどうしようもなかったからだよ。」


彼女の頭を撫でた。


「・・しんぱい?」


ななみは涙でぐちゃぐちゃになった顔を上げた。




「拓馬を・・どこにもやりたくないだけなんだよ、」



ななみに諭しているのに


まるで自分に言われているかのように


拓馬は胸が痛くなり、そして泣きそうになってしまった。



「たーくん・・どっかいっちゃうの・・?」


ななみは手で涙を拭った。



「行かないよ。 これからも・・・ななみのそばにいるよ、」


拓馬は優しくそう言った。




ゆうこはこころを母に預けて、父の部屋にスッと入っていった。



布団の上で背を向けてあぐらをかいて座っている。



「・・お父ちゃん、」


声をかけても微動だにしなかった。



自分たちの結婚の時も


めちゃくちゃ暴れて大変だったけど


最後にはわかってくれて、結婚を許してくれた。



まだ自分は女だから


いつかはどこかにお嫁に出してしまうことも覚悟はしていたことかもしれない。



でも。



まさか『息子』までそんなことになるなんて。



昔堅気のこの父親にはやりきれないことなのだ。



父の思いは複雑でした。 ゆうこはそんな父に胸を痛め・・・



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