Love for the future(7) | My sweet home ~恋のカタチ。

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そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「こんなことを言うのは、まだまだ時期ではないと思いますけれど。」


喜和子は念を押すように落ち着いて話し始めた。



「・・・お父さまにお許しを頂く時は。 あなたたちが将来を共にしたいという気持ちもきちんとお話をしないとならないと思います。 ・・ご存知の通り・・・詩織はお嫁に出すわけにはいきません。 こればかりはどうすることもできないことです。 そのことも・・・合わせてお許しを頂かないとならないと思います。」



それは言われなくても拓馬には痛いほどわかっていた。



彼女と一緒になるということは


白川の家を出ることだ。


白川の名前も捨てることだ。



詩織は心配そうに拓馬の顔を伺った。



彼女の顔を見なくても、そういう顔をしていることが伝わる。



「・・・ハイ。」


拓馬はしっかりとそう返事をした。





「・・・本当に・・よかったのでしょうか。」


拓馬を見送りに門の外に出た詩織はつぶやいた。


「え?」


「・・・私は・・とても嬉しかったです。 拓馬さんがそんな風に思っていてくれたこと。 でも・・・・男の人が『家を出る』ことは本当に大変だと思いますから・・・・。 ご両親の気持ちを思うと、」



彼女は本当に思いやりがあって


こうして周囲に気を遣う。



「・・それはね。 男も女も同じだよ。 ヨメをもらうときだって・・・ホントは大変なことなんだ。」



拓馬は微笑んで詩織の頭に手をやり、子供にするように優しく撫でた。



「・・・妹の結婚は突然だったんだ。 つきあってる男の影もなかったのに、子供ができたから結婚したい、なんて言いやがって。」



当時の騒ぎを思い出した。



「もう。 オヤジは妹がかわいくてかわいくて仕方なかったから。 もう・・・彼氏が来たときは暴れて大変だったよ。 ありえないくらい怒り狂ってさ、」



「そうだったんですか・・・」



「でも。 最後はわかってくれたから。」



そう言いながらも



ゆうこどころか自分までも家から出すなんてこと


想像もしてなかっただろうな。



と拓馬は少しだけ父に申し訳ない気持ちが沸いた。



「オフクロは、あんたの人生だからって言ってくれた。 きっとオヤジも心の底ではおれの幸せを願っているって。おれの幸せは・・・・しーちゃんと一生を一緒に生きることだよ、」



「・・拓馬さん・・・」



詩織はみるみるうちに泣き顔になってしまった。



そして自分から拓馬の胸に飛び込んだ。



「・・きっとわかってもらうから。 心配すんな、」



彼女がいとおしくてたまらずぎゅっと抱きしめた。





「今は黙って見守りましょう。 私は詩織には幸せになってもらいたい。 本当に好きな人と一緒になって。」


喜和子は、母・八重に言った。


「・・・そうね。 この家を守ろうとすることだけ考えて、結婚をすることは不幸になること。 本当にあなたには申し訳ないことをしてしまったわね、」


八重は深いため息をついた。



「もう、そのことは。 亡くなったお父さまやお母さまは私のことを思ってしたことですから。」



「きちんと・・・拓馬くんにも話をした方がよかったんじゃないかしら・・・。 もちろん詩織にも、」



「・・・わかっています。」



喜和子もふうっとひとつ息をついた。



拓馬はどんなことがあっても詩織と一緒になろうと決意しますが、何か友永家にも秘密がありそうな・・・



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