Let me have a dream(7) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「明日から・・・来れないって・・・」


詩織は電話口で驚いた。


「オヤジに。 しーちゃんとつきあってること・・バレた。 二発殴られて・・・もう明日から仕事に来るなって言われた、」


拓馬はわざと明るくそう言った。



「殴られたって・・・」


詩織はもう心配でたまらなかった。



「棟梁の言うことは絶対だから。 おれは明日から仕事に行けない、」



「拓馬さん・・・・」


泣きそうな声の彼女に



「・・・どんなに反対されても。 おれはしーちゃんと別れない。」



拓馬はしゃんとした声でそう言った。



詩織はその言葉に携帯を握る手に力が入った。



「これからのことを思うと・・少し怖い。 でも、おれはしーちゃんしか考えられないから、」



その言葉に身体の中が熱くなる。



こんな気持ち


初めて・・・



詩織は胸がいっぱいになって


はらはらと涙をこぼした。


電話の向こうの彼女が堪えるように泣く声が漏れてきた。


「・・しーちゃん・・・」


「・・・あたしだって・・・。 拓馬さん以外の人は考えられません・・・。」



二人の思いはますます燃え上がり


まだ手しか繋いだことがないなんてウソみたいに


心も身体もお互いに離れることなんかできないと思っていた。




何だかあまり眠れなかった。


詩織は沈んだ様子で家を出ようとした。


その時、拓馬の父が仕事にやって来たところに出くわしてしまった。



一瞬立ち止まる。


そして


「・・おはよう・・ございます、」


小さな声で挨拶をした。


父は目をそらすように黙って会釈をしてそのまま詩織の横を通り過ぎようとした。



しかし



「・・・・あんたも目を覚ましたほうがいい。」


すれ違いざまに詩織につぶやくように声をかけた。



「え・・・・」


「人間。 分相応ってモンがある。 あんたは自分の立場をよく考えた方がいい。 あいつみたいな貧乏人のせがれとなんて・・・とんでもねえ。 お母さんやおばあさんを泣かせるようなことをしちゃダメだ。」



怒っている風ではなく


落ち着いて諌めるように、それでも詩織と視線を合わせないように前を見てしっかりと言った。



詩織は肩からかけたバッグのとってをぎゅっと握り締めながら


「・・分相応って・・なんですか、」


小さな声でそう言った。


拓馬の父はゆっくりと彼女を見やる。



「・・私と拓馬さんは・・・何の違いもない、同じ人間です。 生まれ育った環境は違っていても・・・同じです。 拓馬さんは本当に素晴らしい人です。 私はあまり人とかかわることが得意ではありませんでした。 あんなに自分をさらけ出せる人に出会ったことがありませんでした。 本当に感性がピッタリと合うようで。 呼吸でさえ同じように感じることができます。 拓馬さんを心から尊敬しています。 ・・なにがあっても・・私は・・・」



小さな声だったが


ゆるぎない真っ直ぐな声だった。




やはり許されない恋なのか?? 純愛を貫く二人はとても別れるだなんて考えられませんでした・・・





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