Want to see you(19) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

病室を出たところで


あゆみは結城の叔母に手を引かれてやって来た


祖母に会った。



「・・あなたは、」


二人はあゆみを見て少し驚いたようにそう言った。



「・・・おはよう、ございます。」


あゆみはゆっくりと頭を下げた。



「あゆみさん、でしたね。 お見舞いに来てくださったんですか、」


叔母が優しく語りかけた。



「・・お見舞い・・と言うか・・・」


あゆみが困ったように髪をかき上げた時



祖母は驚いて



「・・・その・・・指輪・・・」



あゆみの左手薬指に光る


パールと小さなエメラルドが輝く指輪に目が釘付けになった。



「え・・・」


あゆみは思わずそれに手をやった。



祖母は思わず彼女の手をぎゅっと握った。



いったいどうしたのか


あゆみは戸惑うだけだった。




「・・その・・指輪は・・・」


叔母が問いかけたので


「これは・・・」



あゆみが答えようとしたとき



「・・佐江子・・・・」



祖母は涙目になってその指輪に手をやった。



驚いているあゆみに叔母が



「・・その指輪。 比呂からもらったの・・?」



と静かに尋ねた。



あゆみは恥ずかしそうに小さく頷いた。



「そう、」



叔母は


ふっと微笑んだ。



「それはね。 妹・・・・比呂の母親の佐江子の形見なの。」




「え・・・」



あゆみは目を見張った。



「母がね。 比呂にそれを渡して、いつか大切に思える人ができたら。 その人にあげなさいって。 古いけど・・いいものだから。」



あゆみの心に


激震が走った。




「・・・佐江子・・・」



結城の祖母は泣き出してしまった。




「お母さん。 あゆみさんが困っちゃってるから。」



叔母は優しく祖母を引き離して



「ごめんなさいね。 年のせいで最近ボケてきちゃって。」



そう言って笑った。



あゆみは首をゆっくりと横に振って


やっぱり涙が溢れてしまった。



大切な


大切な



その思い出の品を


自分にくれた彼の気持ちを思って。



彼がくれた指輪は亡くなった母親の形見でした。 それを知ったあゆみは・・



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