Want to see you(10) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

そして結城がその場に崩れて行くのを見て初めて



「結城さん!!!!」



あゆみは身体が動いて彼に駆け寄った。



右わき腹を押さえて、歯を食いしばって痛みに耐える彼の顔と


そしてその手で押さえられた箇所から見える鮮血に



もう気が動転して彼を抱きしめるように半狂乱になってしまった。




「結城さん!! 結城さん!!!」




その彼女は



傍らにぼうっと立ちすくみ



その右手には血に染まったナイフが握られていた。




そのあとのことは



もう記憶がなかった。



救急車がやってきて


パトカーもやってきて



マンションの前は大騒ぎになり



あゆみはもう痛みに苦しむ彼に縋るように付き添って病院にやって来た。





「姉ちゃん!!!」



有吏が暗い廊下を走ってきて



ようやく我に返った。



「・・・有吏・・・」


ようやくホッとしてあゆみは弟に縋るように泣きじゃくってしまった。



「いったい・・・どういうことになって・・・・」


姉からいきなり結城が刺されたと電話を貰って


有吏も何が何だかわからなかった。



あゆみはしばらく何も言えずに泣くだけだった。




姉が落ち着くのを待っていると、手術室から出てきた医師がやって来た。



ハッとして二人で立ち上がる。



「傷は浅くて臓器には達していませんでした。 出血も輸血するほどではなかったので、傷が塞がれば大丈夫でしょう、」



大事に至らずに


あゆみは思わず安堵してよろけてしまった。


有吏はそれを支えた。




「・・・あゆみさん!」


そこに結城の両親もやって来た。



「女将さん・・・」


あゆみはまた泣きそうになってしまった。





結城が無事であることを知ると


両親も落ち着いて


深夜の病院の待合室で、あゆみの話を聞いた。




「・・・よくわからないんですけど・・・その女の人・・・前にも会社で待ち伏せしていたこともあったみたいで・・・。 『やっと会えた』って・・言った後に・・・いきなり・・・」



あゆみはようやく少しだけ冷静になっていきさつを話すことができた。



「前に・・・比呂とつきあっていた人だろうか。 ・・その人は、」


結城の父は眉間に皺を寄せてそう言った。



「・・救急と警察に・・電話をして。 その人は逃げるわけでもなく、ずっとそこに立ちすくんでいて。 ・・警察官の方に・・・そのまま連れられて・・・・」



あゆみはそう言いながらも



その時のことを思い出していた。



彼女がパトカーに連行される時




「・・・・大好きだったのに・・・・」



小さな声でそう言ったのをはっきりと聞いた。




思わぬ事件が二人を襲います。 あゆみはあまりのことに気が動転し・・・



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