Want to see you(6) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

華やかに演奏が始まった。



オープニングは『展覧会の絵 キエフの大門』。



有吏は舞台袖で聴いたが



ゾクっとして思わず手をぎゅっと握り締めた。



小学生の時に初めてこの人の演奏を生で聴いたときとおんなじ反応だった。



ずっと夢の中にいるみたいに



すごいすごいピアノだった。




それからずっと


ピアニストを夢見てた。





あゆみもまた感慨深く彼の演奏を聴いていた。



有吏がよく



『北都マサヒロさんみたいになる!』



って言ってたっけ。



あたしは音楽のことはわからなかったから、ただ頷くだけだったけど



あの日、真尋さんが偶然にバイトしている店に来て


ホクトに誘われた時も



あたしが3時ごろになって帰るのを待っていて、もう飛び上がりそうなほど喜んでた。



ピアニストの夢は叶わなかったけど


有吏の夢がちょっとだけ現実になるんだって



あたしも涙が出そうだった。




そっと隣の結城を見た。



もう自分がここにいることも忘れてしまっているかのように彼のピアノの中に入り込んでしまっていて




この人も



同じようにこのピアノに惹かれて。



惹かれて。




運命の出会いといえるものが本当にあるのならば



あたしたちが出会ったのは



この美しすぎるピアノがあったからだ・・・・・




夢の中のような気持ちでピアノの音だけを聴いていると



スッと隣から手が自分の手を探ってくる。


そして彼の長い指がしっかりと絡んできて優しく包み込む。



すっごく


心があったかくなって



自然と彼の方に頭を預けた。




・・・大好き・・・




心配していた通り



もっともっと


彼のことが好きになってしまって


止まらなくなってしまった・・・・




「ほんとに。 キレイな音・・・」


あゆみは思わずつぶやいた。



「・・うん、」


結城も気持ち良さそうに目を閉じて、彼女のほうに頭を預けた。




真尋の美しすぎるその旋律に二人はこの幸せを身にしみて感じていました・・・



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