Want to see you(1) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

帰り道


ゆっくりゆっくりと歩いた。



「・・・瀬能くんは。 お姉さんに幸せになって欲しいでしょう?」


茜はボソっと言った。



「・・もちろん。 誰よりも姉ちゃんには幸せになって欲しい。 大好きな人と一緒になって欲しい・・・」


有吏は即座にそう答えた。



「でも。 まだ・・何となく結城さんって人が見えないトコあって。 心配の気持ちのほうが強いというか、」



「そーだよね・・・。 確かに・・ちょっと心配かも、」


茜はふふっと笑った。



「姉ちゃんは。 自分の本当の気持ちをおれに話してくれないんです。 いっつも遠慮して。 心配かけたくないってそればっかりで。 なんかもう、それが寂しいっつーか。 結城さんにプロポーズされたことも、姉ちゃん言わないし。 そんな大事なこと、相談してくれてもいいのに。」



茜に話すうちに


今の自分の胸のモヤモヤの原因はそれだということを確認してしまった。



「今のおれがあるのは姉ちゃんのおかげだし・・姉ちゃんが困ってることは何でも解決してやりたい。 お金だって正社員になったし少しはおれだって負担できるから。」



「お姉さんの方が瀬能くんと離れたくないって思っちゃってるのね、きっと。」


茜はイタズラっぽく笑った。



「え、」



「かわいくて、心配で離れられないんじゃないかなあ・・・」



「って。 もうハタチだし。 そこもまたムカつくっていうか。」



「ご両親が亡くなって、瀬能くんにお姉さんしかいなかったのと同じように、お姉さんにも瀬能くんしかいなかったんじゃない? あなたを一人前にすることで・・不安な気持ちも全て乗り越えてこれたんじゃないかしら。」



「え・・・」



有吏は思わず立ち止まる。



「誰かのために一生懸命になってる時って・・・大変でも幸せだもん。 結城さんと結婚して、あなたと離れたら、もう頑張れなくなっちゃうって逆に不安もあるんじゃない?」



茜の言葉に、気持ちが目覚めていくようだった。



そうやって姉の気持ちを考えたことがあっただろうか・・・・



「だから。 瀬能くんが一生懸命『だいじょぶだよ』って言ってあげなくちゃ。 逆にお姉さんがあなたに守られてここまできたのよ、」




「千堂さん・・・・」



結城と姉のことを彼女に言ってしまうというデリカシーのないことをしてしまったのに


こんなに親身になって話をしてくれる彼女は


やっぱり自分が大好きだった彼女と同じ人だ、と実感してしまった。




「・・・・これからは瀬能くんが頑張るんだよ・・・」



茜はそう言ったかと思うと


おもむろに有吏に近づき、ふっと彼の唇に自分の唇を重ねた。




え・・・・・・




突然のことで目も開きっぱなしで


まるで蝋人形になってしまったかのように表情まで固まって。




「・・・斯波さんと玉田さんにはナイショだよ、」


茜はふふっと笑った。




キス!! 有吏はこの展開に大混乱??



人気ブログランキングへ


↑↑↑↑↑↑


読んで頂いてありがとうございました。

ポチっ!わんわん お願いします!


人気ブログランキングへ 左矢印 携帯の方はコチラからお願いしますドキドキ


My sweet home ~恋のカタチ。