Surely all the time(17) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

誰もいない休憩室は痛いほどシンとしていた。



結城は黙って有吏に缶コーヒーを手渡した。



「・・すみません・・・、」



彼の目が見れなかった。



「・・おまえが京都に行ってるとき。 部屋に泊まった、」



結城は、あっさりとそう言った。



有吏は目だけを彼に移した。



「・・・おれ。 あゆみさんにプロポーズした。 結婚して欲しいって。」



衝撃の告白にその目を見開く。




「結城さん・・・・」



「でも。 結婚はOKしてもらえなかった、」



結城はコーヒーを口にした。



「え・・・・」



「もちろん借金のこと。 それと・・・おまえのこと、」



結城は何も隠さずに彼に言った。



「おれ・・?」



思いもかけない言葉だった。



「彼女にとって。 一番はおまえなんだ。 それ以上におれがなれないってことだと思う、」



「な・・・」


言葉が続かない。


小さく首を振った。



「だけど・・・もうおれはそういう彼女のことが全部好きだ。 ずっと一緒にいたい。 ずっと一緒にいるためには・・結婚しかないから。 ・・・まあ、なんだかんだ言ったけど。 おれは最初からあゆみさんのこと好きだったし。 なんでこんなにアプローチしてもわかってくんないんだろうって思ってた。 で・・おまえが。 ウチの両親に向って『保証人になってください』って土下座するの見て。 なんか気持ちが揺さぶられちゃって。 やっぱ自分が彼女を守りたいって思えた。」



缶コーヒーを持つ手が震えてしまった。



「彼女がどんだけおまえのこと大事にしてるか・・・痛いくらいわかるから。 彼女も・・・おまえには何も言えなかったんだと思う、」



結城はポケットからタバコを取り出してくわえた。



それに火をつけようとしたとき、いきなり有吏がそのタバコとライターを奪った。


もうヤケになってそれに火をつけて、思いっきり煙を吸った。



初めて吸ったタバコは


あまりに刺激が強くて、ものすごいむせてしまった。



「おい、大丈夫かよ・・・」



咳き込んでも咳き込んでも有吏はタバコを吸い続けた。



結城はその異様な光景を傍観してしまう。



「・・・やっぱり・・・おれがいるから。 姉ちゃんは・・幸せになれないんだ・・」



咳き込んで出てきた涙と


感情が昂ぶって出てきた涙が一緒になって。



「おれ・・どんだけお荷物なんだ・・・・。」



情けなくて


どうしようもなかった・・・



姉が結婚に踏み切れないのは自分のせいだと思う有吏は・・・



人気ブログランキングへ

↑↑↑↑↑↑


読んで頂いてありがとうございました。

ポチっ!わんわん お願いします!


人気ブログランキングへ 左矢印 携帯の方はコチラからお願いしますドキドキ


My sweet home ~恋のカタチ。