Surely all the time(4) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

こうしてまた


知らない街にやってきた。




有吏は明日が早いから、と10時になったらさっさと寝てしまった。



あゆみは疲れていたのに寝つけずに、携帯を手にした。



メールをチェックしてしまう。




彼からの連絡を待ってしまう。





正社員になった有吏は、玉田について地方に出張することもあった。



「京都なんか修学旅行以来ですよ。 ぜんぜん旅行なんか行かなかったし、」


仕度をする有吏は若干嬉しそうだった。



「おみやげは絶対に『黒ゴマ入りのおたべ』だよ!」


夏希は念押しをした。


「『黒ゴマ入り』限定って・・・・」



彼の初出張にみんなもにこやかだった。



「じゃあ。 電話があると思いますけど・・あとよろしくお願いします、」


有吏は隣のデスクの結城に声をかけた。



「うん。」


結城は少し微笑んで頷いた。





「コレ。 彼女に渡しといて。 この前、沙耶の血がついちゃったコート。 クリーニングに出しておいたヤツだから。」


結城は会社帰りに実家に寄って紙袋を泉美に手渡した。



「もう仕事も終わるわ。 本人に渡してあげなさい、」


泉美は少し気を利かせるように言った。



「ああ・・いいよ。 渡しておいてくれたらいいから。」


結城はさっさと帰ろうとした。



その様子が普通でないような気がして



「なにかあったの、」


思わず声を掛けてしまった。



その言葉に立ち止まり、何かをジッと考えるようにうつむいた。



そしてやおら振り向いて



「・・おれ。 彼女にプロポーズした。」



泉美の目を見てはっきりとそう言った。



「えっ、」



突然の『告白』にさすがに驚いた。



「正直。 今、つきあってるってわけでもないんだけど。 ・・・もう、めんどうなことはすっ飛ばして彼女と一緒になりたいって思ったから。 まあ・・・オヤジも泉美さんも、わかっていたとは思うけど、」



「・・比呂くん、」



「彼女を・・・ずっと守ってやりたい。 そばにいたい。 もうそれだけの気持ち。」



彼の言葉を聞いて泉美は



「・・よかった、」



と安堵の笑みを浮かべた。



「比呂くんが幸せになる気持ちになってくれて。 ずうっとそれが心苦しかったから、」



しかし



「でもね。 彼女は『困ります』って。 もちろん自分が抱える借金のこともあるから、結婚をするってことがどういうことになるかってことは、わかってる。 結城の家に多大な迷惑をかけるんじゃないか、と彼女は心配しているし、なにより彼女自身が結婚を全く考えてない。」



結城はきっぱりとそう言った。



笑顔になった泉美の表情がまたこわばった。



泉美にあゆみにプロポーズをしたことを打ち明ける結城。 泉美は心からホッとしますが・・



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