「おれと・・・・」
自分の思考以外の部分が勝手に動いている、と結城はそんな意識だけがあった。
自分の意思で言葉を告げている感じがしなかった。
「え・・・」
あゆみは小さな声をあげた。
「おれと。 結婚して欲しい。」
あまりにも
あまりにも突然のその告白に
あゆみはそのまま固まった。
顔の表情さえ動かすことができなかった。
「きみと結婚したい。 一緒に生きて欲しい。」
じわじわと言葉が心にしみこむ。
あゆみはまばたきをするたびに固まった身体が少しずつ溶けていくようで。
涙が瞳を覆った。
言葉が出てこない。
「ずっと思ってた。 きっと・・・初めから・・・・きみのことが好きだった。 大好きだった。 姑息なおれは、何とかきみと近づきたくて、実家に連れて行ったり、ばあちゃんのところに連れて行ったり。 もう絶対にきみはおれの家族に受け入れてもらえるって思ってたから。 両親がきみたちの借金の保証人になったのも・・・こうなるってわかっていたからだと思う。 一生をかけて・・・きみを守る。」
結城は堰を切ったようにそうまくしたてた。
あゆみは一言も言葉を発することができずに、溢れてくる涙をこらえようとして唇をぎゅっと結んだ。
そしてようやく
「・・困ります・・・」
もう数珠つなぎのように涙があとからあとからぽろぽろとこぼれてくるのをぬぐうのも忘れたあゆみは口を開いた。
だって
好きだとか
そんなことさえ口にしたことないのに。
どうしていきなり
『結婚してください』
なの?
もう彼には振り回されっぱなしで
それに流されて・・・・
それでもどんどん幸せの方向に向かっている自分も感じていた。
だけどそれを決して口にしてはいけないって
思ってた・・・・
あまりに突然のプロポーズ。 しかし結城はそれ以上の何かを考えています・・・
↑↑↑↑↑↑
読んで頂いてありがとうございました。
ポチっ! お願いします!
人気ブログランキングへ
携帯の方はコチラからお願いします