また
それ以上の何かがあるわけでもなく。
結城は
「・・じゃあね、」
と、いつもの彼になって帰ってゆく。
いったい
何があったのか。
あゆみは不安で胸が苦しかった。
結城は意を決して電話をかける。
「比呂くん?」
「あ、ごめん・・・忙しい時間に。」
その相手は義母・泉美だった。
「話、あるんだけど。」
改まったような彼の声に
「・・話?」
普通でない雰囲気を感じた。
「じゃあ・・・今日、会社の帰りにでもお寄りなさいな。 10時くらいなら少し時間あるし、」
「いや。 家じゃダメなんだ。 少しの時間でいいから外で会う時間を作ってくれないか。」
結城の口調は何か切羽詰まったような雰囲気だった。
「・・え、ええ・・・。」
泉美は何だか胸騒ぎがした。
二人が会えたのは翌日の昼の11時ごろだった。
結城は早めの昼休みで会社を出て、泉美は昼の営業になる前の時間だった。
コーヒーショップで向かい合った彼女に結城はスッとポケットから何かを差し出した。
「・・・え?」
泉美は驚いてそれを手にした。
「沙耶の・・・母子手帳・・・・」
「この前。 病院で落としたみたいで。 」
「ああ、そう。 なかったのも気づかなかったわ。 ダメね。 どうもありがとう、」
泉美はふっと笑ってそれをしまおうとした。
「・・・沙耶の血液型は・・・O型なんだな。」
結城は煙草に火をつけた。
「え・・・」
泉美はバッグにそれをしまう手を止めて彼を見た。
妹・沙耶の出生の秘密が明らかに・・??
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