Too much(19) | My sweet home ~恋のカタチ。

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そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

結城は3人がついたテーブルから少し離れた場所で、椅子に腰かけて足を組んで座っていた。



有吏に、この場にいてほしいとは言われたものの


二人のプライベートな部分に直接触れるのは憚れた。




彼らの父親が負った借金は、かなり以前のもので利息も非常に高かった。


弁護士は思い切って、『借り換え』を提案し、その手順を説明していた。



見直しをすると、利息分だけかなり月々の返済が楽になるとのことだった。



「ただ。 新たに借りる場合。 『保証人』が必要になります。」



弁護士の言葉にあゆみは困惑した。



以前の借金の保証人は親戚になっていたが、その親戚も高齢でもうお願いするのもためらわれた。



どう、しよう・・・・



あゆみが黙ってしまったとき、



「それで。 実は事前にこのお話は結城さんのご主人に話をしてあります。」



弁護士の言葉に顔を上げた。



「もし・・・どなたも保証人になってくださる方がいらっしゃらないのなら。 ご主人も女将さんも保証人になって下さる、と進んで言って下さいました。 」



「え・・・・」



あゆみも有吏も、そして結城も驚いた。



「ですから保証人のことは心配ありません、」


弁護士は穏やかに言ったが



「い、いえ! それは! こちらにはこれ以上のご迷惑は・・・・」



あゆみは首を振った。



「あなたが本当に真面目に仕事をしてくれているのを見て、お二人とも躊躇なくそう言っておられました。」



あゆみは思わず後ろに座っていた結城を見た。



「・・・おれは。 そこまでは聞いてないけど、」



結城も困惑した。



「・・・大変、嬉しいですが・・・。 でも、これを二つ返事でお受けすることは・・・。 お時間を頂けませんか、」



あゆみは即答できずにそう言った。



「もちろんです。 よくお考えになって下さい。 またこちらにお伺いいたしますので、」



弁護士は落ち着いた様子でそう言った。





弁護士が帰った後、あゆみと有吏は結城の両親と向かい合っていた。



「余計なことかとも思ったけど。 もし、あなたが新たに借金をすることになったとしたら、保証人になってもいいと女房とも話してました。 もちろん頑張ってお金を返すのはあなたたちですが、それを見守るという立場に我々がなれれば、と思ったからです。」



結城の父は静かな口調で二人に言った。



「・・でも。 旦那さんや女将さんに・・・・そこまでしていただくのは、」



あゆみはもうどうしていいかわからず戸惑った。



するとやっぱり少し離れたところで話を聞いていた結城が



「別に借金を肩代わりするわけじゃない。 きみらの真面目な生活ぶりを見ていれば、心配ないってこの人たちが判断したんだから。 さっきの話では借り換えをすれば予定よりも1年払いが早く終わる。 とにかくきみたちが何も負っていない状態に1日も早くなることが重要なんじゃないか? もしそれに義理を感じて、『ルシエ』が再開した時に戻れないと思ってしまうならそれは間違いで、その時はきみがいいと思う道を行けばいいと思う。」



一気にそうまくしたてた。



「結城さん・・・・」



あゆみは小さなため息をついた。



結城の両親が借金の保証人に? あゆみは思わず後ずさりしてしまいそうな気持ちになって・・



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