Too much(8) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「え、瀬能くんを?」


萌香は食後のお茶を斯波に運んだ。



「ん。 まあ・・・大した仕事させてるわけでもないけど。 よくやってるし。 最近はオケのメンバーのスケジュール管理とかファンクラブのこともあいつがやってるし。 玉田が練習に行かれないときは指揮者の澤田さんに細かいことを伝えたりもやらせてるしね。 そろそろ正社員にって人事に相談してみようかと思って、」



斯波はすぐそこのラグで遊ぶ翔に遠慮して空気清浄機の前でタバコの煙を吐いた。



「そうですかあ。 採用してもらえるといいですね、」



萌香も嬉しかった。



「あゆみさんも。 結城さんの実家の料亭の仕事、頑張ってるみたいですよ。 この前会った時も大変やけど楽しいって言ってたし、」



「この前、志藤さんが『ルシエ』のママと電話で話した時に彼女の話が出たらしくて。 ママもあの子のことは気にしてたらしい、」



「気にしてたって?」



「借金のこともわかってたし、これからの仕事のこともなんだけど・・・。 『ゆうき』で仕事をし始めたって知って喜んでたって。 あの子は水商売よりそういう方がいいって、」



「え、」


萌香はテーブルを拭く手を止めた。



「もちろん慣れないながらも今まで頑張ってやってきたんだろーけど。 本当はこういう仕事をするような子じゃないってママも思っていたみたい。」



斯波はタバコを灰皿に押し付けた。



それはいつか結城も同じことを言っていた、と萌香は思い出した。



確かに


あゆみはその辺のOLさんたちよりも世間に擦れていなくて、素直な性格だった。


もし借金のことがなかったら恐らく水商売に足を踏み入れることはなかったかもしれない。





「・・・結城は。 どういうつもりなんだろうなあ、」



斯波は心配そうにつぶやいた。



それは萌香も思っていた。




「つきあっているとか・・そういう雰囲気でもないみたいです。 まあ・・・彼が何とも思っていなかったら・・あそこまで親身になることはないと思いますけど、」



言葉を選びながらそう言った。



「相変わらず。 本気が見えない男だから。 仕事はあれから本当に真面目に申し分なくやってくれてるけど。」



「男と女のことは。 外から誰が何を言っても・・・変わるもんじゃないですから。 あたしたちには何も言うことはできないと思います、」



萌香の言葉は正解そのものなのだが


やはり心配になってしまう。





そして日曜日。



あゆみと結城は一緒に四ツ木のアパートを見に行った。



「外観よりも中はキレイなんだな、」


結城は窓を開けて外を見た。



「ここは築23年と古いんですけど造りはしっかりしてますから。 バストイレ別で2K、駅から徒歩10分だし、」


不動産屋のおじさんはニコニコ顔で勧めてきた。



「え~~? 10分以上歩いたんじゃない? けっこう走らないと10分じゃつかないと思うけどなー、」


結城は収納などもチェックしながら言った。



「これで月8万かあ・・・。 ちょっと高いんじゃない? 2Kったって、4畳半くらいのが2間だし・・・。」


どんどん意見をする彼にあゆみはハラハラしてしまった。





斯波も萌香も二人のことを案じていますが、そんな二人はあゆみたちの新居を探しに出かけて・・・


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