Too much(4) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「今も頑張って仕事してるんでしょう?」


茜は本当に心配したように有吏に言った。



姉のことをいきなり振られて。



いっぱいいっぱい


いろんなことが頭の中で繋がったり切れたり忙しかった。



「・・・まあ・・・」


この二言を言うのに汗だくだった。



「ほんと。 あたし、自分の好きなことを好きなだけできることを当たり前みたいに思っちゃって。自分の贅沢さを思い知っちゃう。 わがままなんかとっても言えないなって思う。 瀬能くんのお姉さんのことを思うと、」



「・・おれも。 もっともっと稼げたらいいんだけど、」


少し弱気になってそんなことを言ってしまった。



「きっと。 瀬能くんのことを大事にしてるのよ。」



茜は優しく微笑んだ。



彼女のように生活のことを心配しないで青春を謳歌できたら


姉はどれだけ幸せなんだろうか。



有吏はふっとそんなことを思ってしまった。



「おれのために・・・・。 恋愛だってまともにしないで、水商売で頑張って。 せめておれが姉ちゃんをヨメに出すってくらいの気持ちになりたいのに、」




結城さんと姉ちゃんのことを繋げながらも


こんなこと言っちゃうおれって。




有吏はそう思う自分の他にもう一人の自分がいるように口だけが動いた。




「・・・おれは。 姉ちゃんが好きな人と幸せになって欲しいって思うのに。 姉ちゃんはいっつも親が残した借金とおれのことばっかで。 自分のことを一番に考えればいいのに・・・。」



「お姉さん。 好きな人がいるの?」



茜の言葉にふっと我に返った。




「や・・・そ、それはわかんないけど・・・・」



ものすごく動揺してしまった。



「・・・お金のことは・・デリケートなことだからあたしも何も言えないけど。 でも・・・やっぱりお姉さんにも支えてくれる人が必要なんじゃない?」



真面目で素直な彼女は一生懸命姉のことを心配してくれた。



もう胸が痛くて痛くて仕方がなかった。



「瀬能くんに心配かけたくないから・・・。 余計によりかかりたい人が欲しいって思うかも。」



彼女のその言葉に、思わず



「・・・姉ちゃんが・・『その人』のことを・・・思ってるってわかればわかるほど。 なんっか情けなくなって、」


有吏は思わず本音を口にしてしまった。



「情けない?」


「やっぱ・・おれじゃあ姉ちゃんのことを助けてやれないんだなって、」



彼女にこんなことを言うのはみっともない気もしたのだが、ここ数日本当にモヤモヤした気持ちで


誰かにそれを聞いて欲しい気持ちもあった。



茜はそんな有吏にクスっと笑って



「瀬能くんも、お姉さんのことが大好きなのね。」



頬づえをついて彼を見た。



「え・・・」


一気に血の気が顔に集まるほど恥ずかしかった。



「や! そんなんじゃなくて!」



慌てて否定したが、その慌てぶりがおかしくて茜はもっと笑ってしまった。 



茜と結城のことを思い出しながらも有吏は苦しい胸の内を誰かに聴いて欲しくて・・・



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