「ご、ご心配なく! とりあえず・・ママが知り合いの店を紹介してくれるってことで、」
あゆみは志藤からの電話に慌ててしまった。
「ほんまにだいじょぶかあ? 斯波ンとこから引っ越すことにもなったんやろ? おれも紹介した手前・・・」
「引っ越しの費用は。 ずっと貯めてましたから。 志藤さんには本当に感謝してますから、」
明るい明るい彼女の声だった。
しかし。
は~~~~
どーしよ。
あゆみはテーブルに突っ伏した。
とりあえずママが知り合いの店につてつけてくれるとは言ってるけど、あの状態じゃいつになるかわかんないし、美雪さんたちも自分でも取りあえず仕事探すって言ってたし。
あたしも仕事を待っていられるほど悠長な生活できないし・・・・
夜の仕事専門の就職誌をパラパラとめくった。
しかし
年齢制限にひっかかったり、いかにも怪しげな感じだったり
最初に六本木のキャバクラで仕事をしたときも、友達の友達の紹介で
いちおう信用はできる店で働くことができた。
こうしてみると・・・
全部怪しく見える・・・
その時、ふと脳裏に
フーゾクとかになっちゃったりして
そんなことがよぎってしまい、ぶんぶんと頭を振った。
それだけは・・・
何とか避けなくちゃ。
慌ててページをめくり始めた。
「え? んで、どーすんの????」
仕事から戻ってきた有吏にはとりあえず話をした。
「困っちゃって。 とりあえずどこか仕事見つけないと・・・・」
あゆみはポットのお湯を急須に注いだ。
有吏は少し考えた後
「・・・結城さんとこ。 もう少し時間を長くしてもらったら・・」
背に腹は代えられず、そう言った。
「それも。 考えたんだけど。 やっぱり『ルシエ』並みに稼ぐには・・・。」
「借金の返済、少し時間を延ばしてもらって。 返済金額を減らしたら?」
「あと何とか5年で終われそうなのに! 返済金額減らしたら・・・また金利だってムダに払わなくちゃならないし、」
あゆみはお茶を有吏の前に差し出した。
姉にはやっぱり水商売をやめてもらいたい、と思う反面
水商売だからこそ、多少の無理をしても借金を早く返せるのも事実で。
おれって。
無力だなぁ・・・・
有吏は情けなくなった。
「あ! たぶん斯波さんにもこの話はすぐに伝わると思うけど。 引越しは引き続きするつもりで、探してるから。もし、何か言われても引越しの予定は変えないからね、」
あゆみは彼に念を押した。
突然職を失ってしまったあゆみは途方に暮れます・・・
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