Pure feeling(18) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「お兄ちゃんは。 ここにあんまり帰ってこないから。 ここに住めばいいのに、」


沙耶は急に寂しそうにそう言った。



「お母さんは。 お兄ちゃんの本当のお母さんじゃないからかなあってずっと思ってた、」



小学生の子に


大人の事情などわからないのだろうが。



ぼんやりとその『違和感』をきっとこの子は感じているのかもしれない。



あゆみはニッコリ笑って



「でも。 この前も一緒にお台場に遊びに来たり。 お兄ちゃんは沙耶ちゃんのことかわいがってくれてるじゃない。 あたしは弟しかいないけど。 かわいい妹がいればなあっていつも思ってた。」



沙耶の視線に合わせるように屈んで頭を撫でた。



「あたしも! お姉ちゃんが欲しかった! 一緒にお買い物とか行ったり!」



屈託のないその笑顔がかわいくて。



少し張り詰めていた気持ちが緩んだ。




あの人のことが


だんだんわからなくなる。




いつも何を考えているのかわからない風で。


だけど


こうしてピンチの時は真っ先に助けてくれる。



年の離れた妹のことも本当にかわいがっていることもわかって



彼に気持ちがどんどんと傾くのを


今は必死に押さえている。




あたしは。



恋なんか


ムリだ・・・・






「え、結城さんの・・・?」



有吏は驚いて食事を運んできた姉を見た。



「うん・・。 実は今日からお世話になっているんだけど。 ファミレスのウエイトレスはやっていたけど、あんだけの料亭の仲居ともなると。 勝手が違うし。 でも・・・女将さんもすごくいい人で、」



有吏にはなかなか切り出すことができなかった。



「・・・・・」



何だか疑うような目でジッと見られて。



こういう感じがイヤだから、言い出せなかったのに。



あゆみは小さなため息をついた。



「・・・イベントコンパニオンの仕事、辞めるって・・ちょっと相談したら。 紹介してくれて。 それだけよ、」



訊かれてもないのに、言い訳をしてしまった。



「・・別に。 なんも言ってねーし、」



有吏は茶碗のゴハンをばくばくと食べた。



結城のことは尊敬している。


何でもソツなくこなして


見た目も文句のつけようがないほどカッコよくて。



でも・・・



有吏はおもむろに茶碗を置いた。



「結城さんは・・・。 絶対にやめておいたほうがいいよ、」



気がついたら口から言葉がこぼれていた。




『事後報告』をされた有吏はなんだかおもしろくなく・・



人気ブログランキングへ

↑↑↑↑↑↑


読んで頂いてありがとうございました。

ポチっ!わんわん お願いします!


人気ブログランキングへ 左矢印 携帯の方はコチラからお願いしますドキドキ


My sweet home ~恋のカタチ。