Pure feeling(14) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「ほんとにありがとう。 今帰ったところで。 片方ないのに気づいてもなかったわ、」



萌香はあゆみをリビングに招き入れて、コーヒーを淹れてきた。


「・・・このマンション、赤ちゃんにはあまり会ったことがないから・・。 ひょっとしてって、」



そのかわいい靴下は翔が履いていたものだった。



斯波は仕事でまだ戻っていないようだった。



「これ。 会社の近所のお店のロールケーキなの。 彼、甘党だから。 これが大好きで。 いつも冷蔵庫に入れてあるの。」


萌香はあゆみにロールケーキを差し出した。



「あ・・すみません。 今仕事から戻ったばかりでお疲れになっているのに、」


恐縮してそっと頭を下げた。



「いいのよ、そんな。 すっかり翔も宵っ張りになっちゃって。 これからミルクだし、」



「お手伝い、します。」



あゆみはニッコリ笑って立ち上がった。




翔を抱っこしてあやしてくれている彼女を見た萌香は


さっき南が言っていたことが気になって仕方がなかった。



結城とのつながりが意外な気がして


興味本位だとかそんな前に、少し心配な気もした。



「今日は。 他のバイトもないの? 珍しいわね、完全休養日なんて。」


何気なく萌香が振ったその言葉に


あゆみはドキンとした表情をわかりやすく表に出してしまった。



翔がじたばたしてちょっとむずがりはじめた。



「ごめんなさいね。」


萌香は翔をあゆみから受け取った。



「・・どう、したの? 何かあったの?」


やっぱり彼女が何か悩んでいるのではないか、と心配になり聞いてしまった。




「・・・イベントコンパニオンの派遣、辞めたんです。 もう・・・年もいっちゃったし。 仕事も減ったので。」



あゆみは静かに話しはじめた。



「・・そう、」


萌香は翔を優しく揺するようにあやした。



「・・・それで。 来週から・・・結城さんのご実家の料亭で、週2日昼間だけ仕事することになって。」



今度は萌香がドキっとした。



「・・・結城さんの、実家・・・」



「・・少し前から。 有吏のことで・・結城さんと知り合って。 色々困ったときは相談に乗ってもらったりして。 今度のことも・・・・」



南が話していたことは


いちおう繋がったが。




「仕事を紹介してもらったことは。 本当にありがたかったんですけど。 ・・何だかどうしていいかわからなくて、」



堰を切ったようにあゆみは『悩み』を萌香に訴え始めた。



「どうしていいかって・・?」



「結城さんは。 『友達になろうよ』って、言ってくれて。 たまにメールしたり、電話したり。 食事を一緒にしたりとか。 そんな感じでした。 ・・・あたしの事情を全部わかってくれて、今度の仕事のことも・・・お父さまに何も隠すことなくあたしのことを話してくれました。 別に。 それ以上のことがあるわけでもないんですが・・・・」



長い髪をかきあげるように顔を上げた。




「この前も。 前の店のお客さんで・・・ストーカーっぽい人がいて。 その人を追っ払ってくれたり。 本当にいろいろしてくれるんです。 悩んでることがあったら相談してって、言ってくれて。 でもね。 なんでだろうって。」



あゆみは萌香を見た。




あゆみは結城が自分に優しくしてくれる理由を推し量るのが怖いようで・・・



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