こっ・・・・こいつが
北都社長のあの有名なイケメン高学歴長男のヨメ!!!
いや
てゆーか。
結婚してた!????
斯波はみんなが引いてしまうほど、いきなり頭を抱えて悩み始めた。
おれ
『水商売の女なんか大っきらいだ!!』
的な発言を思いっきりしちゃって。
いや!
北都グループの跡取りのヨメがなんで元キャバ嬢!??
・・・じゃなくて!
・・・・・・・じゃなくて・・・・・。
斯波は混乱したまま、スーッと真尋宅を出て行ってしまった。
「斯波さん、」
絵梨沙が慌てて追いかけたが、そのままずんずんと帰って行ってしまった。
南と真尋は事のなりゆきにきょとんとしたままだった。
みんなが
『南ちゃん』とかなんとか呼んでて
名字なのか名前なのかもわからず。
誰も本名が『北都 南』だなんて教えてくんなかったし!
ダンナがいるのにあんなに酔っぱらってキスしたり。
いいのかよ・・・。
斯波はなんとなく腹立たしい気持ちと、どうしようもなくむなしい自分がいるのに気づく。
アホか。
斯波は足を止めて空を仰いだ。
「・・・で。 ムーンリバーの専務には来週にでも音楽プロデューサーの藤堂さんと一緒に具体的なことを詰めに行くことになりました・・・・」
斯波は淡々と志藤に報告をしていた。
「・・・そう・・・」
志藤はなんとなく彼の表情を伺ってしまった。
絵梨沙から南が真太郎の妻であることを全く知らなかったみたいだ、と聞いて。
そしてそれを知ってからの彼の様子が非常におかしかったことも聞き、いろいろ探るように彼を見てしまった。
「・・なにか?」
それに気づいた斯波はさらに怖い顔で志藤を見た。
「や・・なんでもない・・・」
ひきつって笑った。
そして。
「あ~~~、おまえ。 南が社長ンとこのヨメって知らんかったんやって?」
思い切ってズバリ、そして迂回気味に聞いてみた。
自分の席に帰ろうとした斯波の背中が明らかにギクっとしていた。
「なんか、ちゃんと紹介してへんかったなあって・・・ゴメンな、」
その言葉もさらに癇に障ったようで
「・・いえ。 全く気にしてもらうことはないので、」
むちゃくちゃ怒ったような声でそう言った。
そんな彼のリアクションに
・・やっぱ・・・そーやったんかなあ・・・
志藤はウーンと考えてしまった。
すると斯波はいきなりガバっと彼に振りかえり、
「・・・北都マサヒロのCD、もう何が何でも売りましょう! 全ジャンルの音楽のランキングにも負けないように!」
いきなり力のこもった言葉を吐いた。
「は・・・・・。 あ・・・・・うん・・・」
その迫力に押された。
そのまま大股で歩いて自分の席について、またバリバリと仕事をする斯波を見て
なんだかおかしくなってクスっと笑った。
まあ。
このままイジらないでやるか。
初めて斯波が事業部の一員として、これからもずっとずっと一緒にやっていけると確信した。
志藤は椅子を回転させてブラインド越しの青空を見た。
真尋も。
これからやな。
真尋の才能をこれからもみんなで力を合わせて大きく花開かせていきたい。
それはきっとみんなの思いだから。
真尋と絵梨沙の出会いから、彼がピアニストとしての地位を確立していくまでのお話はこれでおしまいになります。
最後にちょっとだけ、斯波ちゃんとの絡みもありましたが
南に『失恋』(?)した彼はその後、大恋愛をすることになります→part3
この不器用すぎる斯波ちゃんは、現在めでたくパパになりましたが
幸せな家庭に育ってこなかった彼にとって子育てがまだまだピンときていません。
明日からは斯波ちゃんが立派な『パパ』になってゆく姿をお送りします。(‐^▽^‐)
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読んで頂いてありがとうございました。
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